メキシコ領時代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/23 03:09 UTC 版)
「ニューメキシコ州の歴史」の記事における「メキシコ領時代」の解説
「メキシコ独立革命」も参照 フランスのナポレオン・ボナパルトは、ニューメキシコの北東の隅まで延長する、広大で「未開拓」の、そして未発達のルイジアナの地を、1803年ルイジアナ購入で米国に売った。ヌエバ・エスパーニャの一部としての残りのヌエバメヒコ(ニューメキシコ)は、1810年から1821年のメキシコ独立革命に続く独立国メキシコのものとなった。26年間のあっさりとした名目上のメキシコ支配の間、ニューメキシコに対するメキシコの権威と投資は弱かった。しばしば戦争を行っていたメキシコ政府には、ニューメキシコにかける時間も手間もなく、興味も乏しかった。メキシコの役人たちは、メキシコ人家族たちへ大規模な土地の払い下げを(通常は無料で)行い、ニューメキシコに居住させる方針を取った。西へ拡張し続けるアメリカ合衆国のニューメキシコへの台頭を恐れたことと、また、彼ら自身や彼らの友人や家族への報償を欲したためである。 主にロッキー山脈で罠猟をしていたアメリカ人の小規模なマウンテンマンの集団は、以前からサンタフェにいた。スペイン領時代、当局は彼らとの交易を公式に禁じていたが、1821年11月、交易商のウィリアム・ベックネルは、独立したメキシコは今やサンタフェを通じた交易を歓迎しているというニュースを持って米国に戻った。 ウィリアム・ベックネルはミズーリ州のインディペンデンスを離れ、1822年のはじめ、最初の交易商の集団としてサンタフェに到着した。チャールズ・ベントとウィリアム・ベントの兄弟とセラン・セント・ブラインに率いられたサンタフェ・トレイル交易会社は、西部でもっとも成功を収めた交易のひとつである。1826年には、領域で最初の私有の交易所を持ち、そして1833年までには、彼らはアーカンソー川の上にベントズ・フォートと呼ばれる、交易所を兼ねたアドベ煉瓦造りの砦を造った。ニューメキシコ州タオスのおよそ200マイル東に位置しているこの砦は、サンタフェ・トレイル沿いで白人が開拓した唯一の場所だった。セラン・セント・ブラインはタオスとサンタフェで、それらのビジネスの支店を経営した。インディアンの攻撃からの防御のために、集団で移動していた400台以上の幌馬車のキャラバンは、その後780マイル(1,260km)の長さのサンタフェ・トレイルに沿って、通常は春先に旅立ち、ニューメキシコに4〜5週間の滞在した後に戻るという、40日から60日間の毎年恒例の長旅になった。道は、カンザス州のドッジシティ南西で、山側と、シマロン川側に分岐した。でこぼこした山側の道は、レイトン峠を通り過ぎて、ニューメキシコ州フォートユニオンの近くでシマロン川側の道と再び合流した。乾燥した南のシマロンルートには、ちらほらと丈が短い草があるだけで、野生生物はほとんどいなかった。現在のサンタフェ国定歴史街道(Santa Fe National Historic Trail)は多くの場所が標されているか復元されていて、この昔の道を辿れるようになっている。 カリフォルニア州ロサンゼルスからサンタフェまでのスパニッシュ・トレイルは、主に一年の間の少しだけ、サンタフェかその近くに住むスペイン人や白人交易商、元罠猟師たちによって使用された。1829年頃に始まって、道程はコロラド、ミネソタ、ネバダとカリフォルニアに広がり、一年に一度往復できる程度の大変な努力がいる2400マイルのきつい旅だった。取り引きは主に、カリフォルニアの馬と、サンタフェからの毛布といくつかの商品から成った。カリフォルニアでは馬がほとんど野生のままで育っていて、また市場をほとんど開いていなかったため、廉価で取り引きすることができた。道には水が数日間補給できなかったり、道に沿って死んだ動物のいろんな部分の骨が散らばっている多くの殺伐とした箇所があった。ペッグ・レッグ・スミスのような山男は、スパニッシュ・トレイルを何千頭ものスペインの馬とラバを連れて、サンタフェやタオスやベントズ・フォートに移動した。 1836年、テキサスはメキシコからの脱退に成功し、テキサス共和国として独立する。ほとんど誰も住んでいないリオ・グランデ川の北と東すべてが領土と主張したテキサス共和国は、1841年、ニューメキシコをテキサスの一部と主張するグループによって、軍事と交易を兼ねた遠征隊を送り出した。ニューメキシコ当局はこの遠征隊を攻撃して捕らえた。この結果として、メキシコとアメリカ合衆国の緊張は高まった。
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