マルチモダリティとは? わかりやすく解説

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マルチモダリティ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 10:02 UTC 版)

会話分析」の記事における「マルチモダリティ」の解説

これまでの項目で、主に会話見られる規範組織についての知見述べてきたが、会話分析は、会話だけを分析対象としているわけではない電話ではなくお互いに顔を合わせて話をするときには、当然、参加者視線向き身体も関わってくるし、また発話上のプロソディも相互行為を行う上で重要な資源となっていることを議論し提示している。 視線はある行為が誰に向けられているのかを示す一つの手段になりうる。もちろん相手直接呼びかけるなど他の方法もあるが、開始行為行為連鎖第一成分となりうるもの)と視線によって、たいていの場合話しかけている相手が誰なのかが示される。もし視線によって選択した相手が、そのこと何らかの理由気づいてない場合、他の相手視線移し、それに合わせて発話デザイン変化させることもある。たとえば、「禁煙始めたんだ」と言おうとして、相手気づいてない場合に、別の相手(たまたま禁煙していることを知っているパートナー)に視線を向け、「今日一週間になるよ」という一言付け足すことで、受け手変わったことを発話視線で示すことが出来る。 また参加者身体は、その身体の向きによって、発話者の関心がどこにどれくらい向けられているのかを示す。向かって作業をしている時に後ろから話しかけられて、上半身だけその話しかけてきた相手に向け、腰から下は向かったままの状態を維持している時、話をすることによる作業中断はいわば、一時的なものであってその人にとって継続させるような中心的な行為ではないことが示されている。また、この参加者複数行為に対して同時に指向していること、またその指向には、中心的なものと周辺的ものといった階層が(たとえば、より安定した身体の指向中心的それ以外周辺的あるように)作り出されている。 このように身体視線向きは、その時参加者にとっての参加枠組み形成する発話そうした枠組み形成するのに一番大きな役割を果たすことは言うまでもないが、私たちは常に会話しながら相手観察しその人関心がどこに向いているのか、いま会話参加出来る状態にあるのかどうか、など、参加枠組み形成に関する交渉を行う。そして、参加枠組み中でも参加者がある行為に対して参加できる状態にあり、協働的に行為遂行できるかどうかは、やはり視線身体によってより安定した関心向けられているかによる。たとえば、病院での医療面接で、医師カルテコンピューター画面向かって作業をしている時、医師患者とのやりとり参加していないことを身体的に示している。その時患者医師自分視線を向けるまでは発言開始せず、そうしたタイミングを待つことが観察されている。このように会話参加者は常にお互い状況モニター合って協働的に相互行為組み立てているのであるこの他、プロソディのような言語的要素ではあるが、統語組織持たない資源会話では活用される。たとえば、文法的に発話完了することが予測されるようなポイントで、発話終了マークするような下がり調子イントネーション用いないことによって、発話がまだ継続することを示すことができるのは、音韻的資源利用した上での手続きである。またイントネーションによって、相手行為に対して対峙的な態度など感情示したりも出来る。 ここでは特に取り上げないが、指差しジェスチャーうなずきなどの身体的行為や、会話しながら使っている道具その場構成している空間的要素なども、会話理解する上で資源となることは間違いないこうした多層的な資源取り扱う際に注意したいのは、これらが、全て個別行為形成利用されているのではないということである。すべての発話それまで相互行為によって作られ文脈依存しており、また次の発話を行うことで文脈形成している。身体的音韻的道具的な資源発話と共にある文脈埋め込まれている。そういう意味で、両者切り離すことが出来ない。そして、私たちその都度関連のある資源は何か互いに示しいながら相互行為を行う能力持ち合わせているのである

※この「マルチモダリティ」の解説は、「会話分析」の解説の一部です。
「マルチモダリティ」を含む「会話分析」の記事については、「会話分析」の概要を参照ください。

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