ホニホロ飴売りとは? わかりやすく解説

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ホニホロ飴売り

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/14 18:18 UTC 版)

唐人飴売り」の記事における「ホニホロ飴売り」の解説

後に四代目歌川広重襲名する菊池貴一郎明治38年(1905年)に著した江戸府絵本風俗往来』(全2巻)の下巻には“唐人飴ホニホロ”の項目がある。 唐人笠といふを被り被服同じく此頃唐人といふに拵へ紙張の馬を造り四本の足をぶらりとつり、馬の背に穴ありて、己の両足を其穴に入れて、馬をば己が腰に縊り付て、吾足にて歩くや、馬のつりし足はぶら~~として、恰も馬の足運べる様見へたり。己は唐人笛を吹ながら駈る、又、笛を振て踊なり。偖路上程、よき所を見斗ひて立、唐人笛音高吹鳴す。孩子等は笛の音を聞て、ホニホロ行て見んと走り集る。飴を買ふ者には、眼鏡を貸て見せしむ。眼鏡玻璃を八ツに角を摩て、糸を引時は、玉の廻る作りたり。眼に當て見る時は、八ツ乃ち八人に見へ、玉の廻せば八人同じく廻る。飴賣は眼鏡貸切しと、暫時が間、笛を吹ならし、眼鏡見し所より、二、三間隔りて、身振可笑、ハッホニホロホニホロ~~~~、眼で、ハッホニホロホニホロ~~~~~~、ハッ上るホニホロハッ下るはホニホロ~~~~。孩子等、余念なく面白がりて飴を買見んとせざるはなし。 また、淡島寒月大正12年(1923年)、『七星』誌第2号寄稿した、『梵漫録』は江戸末期から明治初年度にかけて寒月見た物売り見世物随筆集だが、その冒頭ホニホロである。 まず第一に挙げたいのは、花見時の上野に好く見掛けホニホロである。これは唐人の姿をした男が、腰に張子作った馬の首だけを括り付け、それに跨がったような格好で鞭で尻を叩く真似しながら彼方此方駆け廻る。それを少し離れた処で柄の付いた八角形眼鏡の、凸レンズが七個に区画されたので覗くと、七人そうした姿の男が縦横馳せ廻るように見えて子供心にもちょっと恐ろしいよう感じがしたのを覚えている。 この馬の張りぼて新年祝言の歌囃子合わせて踊り披露した門付の芸に用いた春駒”の一種である。正月門付芸での春駒武士であったり、大黒などの縁起物だったりするが、このホニホロ飴売りはそれをそっくり唐人の姿にしている。飴売り子供たち(文中の“孩子”)に貸し出す眼鏡は“ホニホロ眼鏡”、“将門眼鏡”、“八角眼鏡”と呼ばれたブリリアントカットのような研磨加工されたガラスをはめた板である。山東京伝天明8年(1788年)に著した黄表紙時代世話二挺鼓下巻には7体に分身した平将門対し藤原秀郷駒形眼鏡屋で買った八角眼鏡”を取り出し、これを通せば自分は8体に分身できると将門仰天させたという下りがある。また、玩具研究家川崎巨泉は『玩具帖』の中にホニホロ眼鏡”の克明な図絵載せている。明治18年(1885年)に旧幕臣の著述家岡本経朝(号・昆石)が江戸古風俗を英語訳文と絵で紹介した古今百風吾妻余波』の中に眼鏡持った子供たちの前で踊るホニホロ飴売りの姿がある。 ホニホロ飴売りが登場したのは、ガラス製の眼鏡出回る大御所時代以降推測される上述した山東の『時代世話二挺鼓』は天明8年作品である。宮武外骨雑誌此花』四記したホニホロ考』の中で、宮武寛政の頃に登場したのではと推測し、「或人の説に、初め武者姿のみであつたが、安政の頃唐人姿のものが現はれたのであると云ふ、そして此種のもので此ほにほろほど長く續いて流行したものはないさうである」としている。 “ホニホロ”という言葉の意味については、宮武オランダ語ではないか推測したが、それを受けて南方熊楠が『十二支考』内の『馬に関する民俗伝説』の中で、該当する外語はないとして、「ホニホロは単に囃の詞ことばらしく、風を含み膨れる体を帆に幌とでも讃えたのでなかろうか」としている。

※この「ホニホロ飴売り」の解説は、「唐人飴売り」の解説の一部です。
「ホニホロ飴売り」を含む「唐人飴売り」の記事については、「唐人飴売り」の概要を参照ください。

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