ヘモグロビンと酸素・二酸化炭素輸送とは? わかりやすく解説

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ヘモグロビンと酸素・二酸化炭素輸送

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/14 14:48 UTC 版)

赤血球」の記事における「ヘモグロビンと酸素・二酸化炭素輸送」の解説

詳細は「ヘモグロビン」を参照 ヘモグロビン赤血球細胞質主要な構成物質であり、肺から全身酸素運搬する役割担っているタンパク質である。ヘモグロビンポルフィリンを持つ4つヘム4つグロビンからなりヘム中心に1つ鉄原子を持ち酸素1分子結合することができるので、ヘモグロビン1分子で4個の酸素分子結合することができる。標準的な体格成人が持つ赤血球含まれるヘモグロビン総量は約750g であり、1gヘモグロビン酸素 1.39mL と結合することができるので、総量としておよそ 1L の酸素結合することができる。 赤血球幼若段階である赤芽球には豊富なミトコンドリアポリリボソーム存在し、それらによって赤芽球盛んにヘモグロビン合成行い細胞成熟するにつれて細胞質ヘモグロビン充填されていくが、赤血球成熟最終段階ミトコンドリアポリリボソーム抜け落ち成熟し完成した赤血球ではもはやヘモグロビン合成行われない赤芽球ミトコンドリアではヘム骨格を成すポルフィリン環作られポルフィリン環鉄原子が組み込まれヘム作られる一方mRNA複数リボソーム連結したポリリボソームアミノ酸組み立ててたんぱく質であるグロビン作るミトコンドリア作ったヘムポリリボソーム作ったグロビン細胞質内で出会いヘモグロビンになる。 成熟した赤血球骨髄から血管内に移動し血液循環によって肺から組織組織から肺を巡る。組織内では細胞活動により二酸化炭素発生し血漿組織液溶け込んでいるが、細胞膜通して二酸化炭素赤血球内に取り込まれる赤血球内で二酸化炭素 (CO2) と (H2O) は炭酸脱水酵素によって重炭酸イオン (HCO−3) と水素イオン (H+) になり、水素イオン増加することにより酸性強くなった赤血球内では、酸素ヘモグロビンが結びついたオキシヘモグロビンから酸素分子遊離し細胞膜通って体細胞酸素供給されるボーア効果)。酸素放出したヘモグロビン水素イオンと結びついて赤血球内が極端に酸性に傾くのを防ぐ。 血液中の二酸化炭素のほとんどは赤血球内に取り込まれ二酸化炭素の約70%は赤血球内の炭酸脱水酵素によって重炭酸イオン変換され重炭酸イオン多くバンド3 (band 3) と呼ばれる赤血球膜を縦貫する膜輸送たんぱく質によって塩素イオン交換赤血球外に出され血漿溶け込んで肺に循環する二酸化炭素の15-20%は酸素放出したヘモグロビン結びつきカルバミノヘモグロビンとして赤血球により肺に運ばれ、約10%そのまま血漿溶け込んで肺に循環する。 人の場合だと肺では酸素分圧はほぼ 100mmHg であり二酸化炭素ほとんどないので赤血球酸素飽和度はほぼ100%になる。酸素含んだ赤血球組織循環するが、組織内酸素分圧組織によって違い一般的な組織内では 40mmHg、活動中筋肉内では 20mmHg 程度になる。酸素分圧の差でも赤血球酸素放出する二酸化炭素存在せず酸素分圧の差のみであると、赤血球持っている酸素の内 10-30% 程度しか赤血球外へ放出できない。しかし組織内二酸化炭素発生していると二酸化炭素炭酸変換されることで pH低下しpH の低下によっておきるボーア効果赤血球大半酸素放出することができるようになる右上図も参照のこと)。 酸素富み二酸化炭素少ない肺では、赤血球は逆の行程重炭酸イオン二酸化炭素戻して吐き出し酸素取り込む。つまり、二酸化炭素少ない肺では赤血球内の二酸化炭素出て行くが、赤血球内の二酸化炭素濃度が下がると炭酸脱水酵素組織内のときとは逆に水素イオン重炭酸イオン (HCO−3) から二酸化炭素 (CO2) と生成して赤血球内の細胞質pH上昇する。また赤血球内の重炭酸イオン減少したことで赤血球外の重炭酸イオン塩素イオン交換取り込まれ二酸化炭素変換されて再び放出されるpH上昇した赤血球内では酸素取り込みやすくなり、もともと酸素富んだ組織内であるのでヘモグロビンいっぱい酸素取り込む酸素飽和度上がった赤血球は、再び末端組織細胞酸素運搬する過剰な酸素細胞を傷つけるが、赤血球酸素取り込み末端組織内で酸素吐き出す過程では二酸化炭素存在によって酸素供給されるので、二酸化炭素濃度が濃い(一般に活動盛んな細胞ほど二酸化炭素排出が多い)ほど赤血球供給する酸素の量が増えてくるので酸素を必要とする細胞に必要とする適量酸素供給することができる。この点が液体酸素を溶かし込んで供給するシステムとの大きな違いである。

※この「ヘモグロビンと酸素・二酸化炭素輸送」の解説は、「赤血球」の解説の一部です。
「ヘモグロビンと酸素・二酸化炭素輸送」を含む「赤血球」の記事については、「赤血球」の概要を参照ください。

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