ヘモグロビンの構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/26 08:43 UTC 版)
1955年頃から、アメリカのライナス・ポーリングとエミール・ズッカーカンドルは、ヘモグロビンのα鎖を構成するアミノ酸に注目した。ヘモグロビンα鎖は141個のアミノ酸からなることが知られていた。また、動物により配列が異なることから、ポーリングらはいろいろな動物間でこのアミノ酸の配列の異なる個数を調べたところ、以下の結果を得た。 ヒト - ゴリラ:1個 ヒト - イヌ:23個 ヒト - イモリ:62個[要出典] ヒト - 鯉:68個 生物の類縁度が高いほどアミノ酸の配列が異なる個数は少なくなることが分かった。これ以外にも色々な動物間のアミノ酸の配列の違いを測定。さらに、化石上ですでに分岐時期が判明しているものとの相関関係を取ると、アミノ酸α鎖の配列の差と分岐時期に直線関係があることが分かった。 これらのことからアミノ酸配列の突然変異が常に一定速度で発生すると仮定すると、生物間の分子構造の違いと分子構造の時間あたりの変化量から進化系譜が構築できるのではないかという考えが生まれた。1962年、ポーリングらはこれを分子時計と名付けた。 この分子時計の考え方は、木村資生の中立進化説などに大きな影響を与えた。
※この「ヘモグロビンの構造」の解説は、「分子時計」の解説の一部です。
「ヘモグロビンの構造」を含む「分子時計」の記事については、「分子時計」の概要を参照ください。
- ヘモグロビンの構造のページへのリンク