生物界におけるヘモグロビンとは? わかりやすく解説

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生物界におけるヘモグロビン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/23 03:04 UTC 版)

ヘモグロビン」の記事における「生物界におけるヘモグロビン」の解説

ヘモグロビン脊椎動物固有のものではない。動物界植物界通して見れば酸素結合し運搬を行う様々なタンパク質存在する。また真正細菌原生生物界菌界などでも、可逆的なガス結合を行うと見られる配位子含んでいる、ヘモグロビン様のタンパク質存在する。これらのタンパク質多くグロビンヘム平面状のポルフィリン配位した鉄イオン)を含んでいるため、単にヘモグロビン呼ばれることがある。しかし、これらのタンパク質三次構造は、脊椎動物ヘモグロビンとは大きく異な場合がある。特に、原始的な動物で、筋肉持たないものにおいては、「ミオグロビン」とヘモグロビン区別することは難しい。また、循環器があるものでも、酸素運搬をするタンパク質複数ある場合がある(昆虫類その他の節足動物など)。これらの中で、ヘムグロビン単量体場合もある)を含みガス交換を行うものをヘモグロビン称する酸素運搬するもの以外にも、NO、CO2硫化物運搬するものもある。また嫌気的環境を必要とする生物は、O2を環境排出することもある。さらに、塩素化合物解毒を行うものもあり、その動作シトクロムP450ペルオキシダーゼ類似するヘモグロビンの構造生物種によって異なる。ヘモグロビン生物界それぞれの界に存在するが、すべての種が持つわけではないグロビン1つだけ含むヘモグロビンは、細菌原生生物藻類植物などの原始的なものに観察される傾向がある。対照的に線虫類・軟体動物甲殻類などは、脊椎動物ヘモグロビンよりはるかに大きヘモグロビンを持つ。特大ヘモグロビンは、菌類および巨大環形動物見られグロビンその他のタンパク質含んでいる。生物界におけるヘモグロビンの、特に顕著な事例は、体長2.4メートルにも達すチューブワームRiftia pachyptila (Vestimentifera))で観察される。この種は海底火山周辺熱水噴出孔によく見られる。これらは消化器系持たないかわりに体重半分ほどに達す重量バクテリア硫黄酸化細菌)を体内飼っており、熱水噴出孔からのH2S水中のO2を取り入れ共生細菌によるH2OCO2からATP生み出す反応によってエネルギーを得る。また、血液中には144ものグロビン鎖を持つ巨大ヘモグロビン他、複数存在する。この生物は、末端に濃い赤色扇状器官(plume) を持ち、それを海水中に伸ばして呼吸のためにO2を、バクテリアのためにH2OとO2を吸収し、また同化のためにCO2取り入れている(光合成を行う植物と同様)。この器官鮮やかな赤色をしているが、これは何種かの非常に巨大なヘモグロビンのためである。通常ヘモグロビンは、硫化物働き阻害されるが、これらチューブワームヘモグロビンは、硫化物酸素両方運搬できる点で特徴的である。

※この「生物界におけるヘモグロビン」の解説は、「ヘモグロビン」の解説の一部です。
「生物界におけるヘモグロビン」を含む「ヘモグロビン」の記事については、「ヘモグロビン」の概要を参照ください。

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