生物界における分布
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/26 07:18 UTC 版)
「コレステロール」の記事における「生物界における分布」の解説
ヒトのあらゆる組織の細胞膜に見出される脂質である。ヒトを始めとした哺乳類においては、コレステロールの大部分は食事に由来するのではなく、体内で合成され、血漿に含まれるリポタンパク質と呼ばれる粒子を媒体として輸送される。コレステロールはそれを生産する臓器や細胞膜や小胞体のような膜組織が密集している細胞で構成される臓器、たとえば肝臓、脊髄、脳に高濃度に分布している。成人の体内コレステロール量である100-150 gのうち約1/4が脳に集中し、約1/3が脳を含めた神経系に集中している[信頼性要検証]。動脈硬化叢に形成されるアテローム(血管の内側に詰まるカスのようなもの)にも高濃度で存在する。また、コレステロールが胆汁中で結晶化すると胆石の原因となる。 植物の細胞膜においてはわずかな量のコレステロールが認められるに過ぎず、他の種類のステロイド(フィトステロールと呼ばれる)が同様の役目を担う。真核生物は、一部の例外(昆虫、繊毛虫など)を除き大部分の種が何らかのステロールを自身で生合成する。そして各真核生物はそれぞれが特有のステロール組成を有する。動物の主要ステロールがコレステロール、植物ではフィトステロール、菌類はエルゴステロールを合成することが知られている。真核生物以外では、コレステロールは今のところ検出されていない(ステロール自体が稀)。 ヒト組織コレステロールの重量比胆石(コレステロール結石) 胆石(コレステロール結石) 98%–99% 上皮脂肪 13%–24% 毛髪 1%–5% 脳 2.7% 神経 1.5% 血液 0.015%–0.025%
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