タンパク質の研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 23:13 UTC 版)
「ローレンス・ブラッグ」の記事における「タンパク質の研究」の解説
1948年頃にはX線によるタンパク質構造の研究に関心を持ち、物理学の知識を生物学の研究に応用する研究グループを作ることに貢献している。1953年、所長を務めていたキャベンディッシュ研究所でフランシス・クリックとジェームズ・ワトソンがデオキシリボ核酸 (DNA) の二重らせん構造を発見した際にも重要な役割を演じている。 DNAの構造を解明したという発表は、まず1953年4月8日にベルギーで開催されたタンパク質に関する学会でブラッグが発表した。しかしこれは全く報道されなかったため、彼は1953年5月14日にロンドンの医学校で再び発表し、ロンドンの新聞が翌日 "Why You Are You. Nearer Secret of Life."(あなたは何故あなたなのか。生命の秘密にせまる)と題した記事を掲載した。 ブラッグは40年前に開発したX線を使った技法がこの生命の本質に迫る発見に重要な役割を果たしたと知って喜んだ。同じころキャベンディッシュ研究所ではマックス・ペルーツがヘモグロビンの構造を解明する研究を行っており、後にこちらもノーベル賞を受賞している。ブラッグはクリック、ワトソン、モーリス・ウィルキンスをノーベル賞に推薦し、彼らは首尾よく1962年のノーベル生理学・医学賞を受賞した。ウィルキンスはキングス・カレッジ・ロンドンでX線回折を使った研究をしており、クリックとワトソンのDNA構造の解明に貢献している。ウィルキンスの同僚だったロザリンド・フランクリンが撮影したX線写真 "photo 51" によってDNAが二重らせんであることが判明した(ライナス・ポーリングは三重らせん説を提唱していた)。しかし、フランクリンは受賞前に亡くなっている(ノーベル賞は亡くなった者には贈られない)。 1954年から1966年まで王立研究所所長を務め、1965年にはロンドン王立研究所のD・C・フィリップスらがブラッグの指揮下でリゾチームの310ヘリックス構造を発見した。
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