タンパク質の比較モデリング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/04 06:25 UTC 版)
「タンパク質構造予測」の記事における「タンパク質の比較モデリング」の解説
タンパク質の比較モデリングでは、最初に構造モデリングの出発点として、既に解明されているタンパク質構造もしくはテンプレート(鋳型)を使う。この方法が有効である理由は、タンパク質の種類は膨大であるが、タンパク質の多くがもつ三次構造の構造モチーフの種類は少ないとみられているからである。現在、実際に存在するタンパク質フォールディングのパターンは2000種類程度と考えられている[要出典]。タンパク質の比較モデリングは、構造予測における進化的共分散と組み合わせることができる。 比較モデリングの手法は次の2種類に分類することができる。。 相同性モデリング(英語版)は、相同性の高い2つのタンパク質は非常に似通った構造をもっているという合理的な前提に基づいている。タンパク質のフォールディングはアミノ酸配列よりも進化的に保存されているため、配列アライメントによってターゲット(構造が未知のタンパク質)とテンプレートの関係が識別できる場合には、非常に遠い関係にあるテンプレート上でターゲット配列を合理的な精度でモデル化することができる。比較モデリングの主なボトルネックは、既知の良好なアライメントによる構造予測のエラーではなく、アライメントの難しさから生じると考えられている。当然のことながら、相同性モデリングは、ターゲットとテンプレートの配列が類似している場合に最も正確になる。 タンパク質スレッディングは、未知の構造のアミノ酸配列を、解明済みの構造のデータベースに対して検索するものである。いずれの場合も、スコアリング関数を用いて、配列と構造の適合性を評価し、可能性が高い三次元モデルを作成する。この種の手法は、三次元構造と直線的なタンパク質配列の間の適合性解析であることから、「3D-1Dフォールド認識法」とも呼ばれている。さらにまた、与えられた構造と大規模な配列のデータベースとの適合性を評価することで、どの配列が与えられたフォールディングを生み出す可能性があるかを予測し、「逆フォールディング検索」を行う方法も生み出した。
※この「タンパク質の比較モデリング」の解説は、「タンパク質構造予測」の解説の一部です。
「タンパク質の比較モデリング」を含む「タンパク質構造予測」の記事については、「タンパク質構造予測」の概要を参照ください。
- タンパク質の比較モデリングのページへのリンク