フェルスタッペンとハミルトンの対決
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 18:01 UTC 版)
「2021年のF1世界選手権」の記事における「フェルスタッペンとハミルトンの対決」の解説
本来、2021年は新レギュレーションに基づいたシャシーを使用する予定であったが、2019年末から起きた新型コロナウイルスの世界的流行を受け、急遽レギュレーション変更が行われ、各チームに与えられた2トークンを使用することである程度の改良を施すことが可能ではあるが、原則として2020年度のマシンを継続して使用することが決定した。ただし、マシンの性能向上に一定の歯止めをかけるべく、フロア面積を縮小し、ダウンフォース量を昨年比10%低減させる規定も導入された。 2014年のレギュレーション変革によりエンジンが「パワーユニット(以下PU)」に変更されて以降、独走を続けていたメルセデスだったが、プレシーズンテストの段階からこの影響を受け、開幕戦までに対応することができず、サマーブレイク前までメルセデスは苦戦。一方でレッドブルは開幕までにこの変更にうまく適応したことや同チームへPUを供給するホンダは新設計のPUを投入。この2チームの差は相対的に縮まった面もあるものの、前年と比べれば、2チームの差は縮まることとなった。その結果、ドライバーズタイトルは史上初の8回目のワールドチャンピオンを目指すメルセデス所属のルイス・ハミルトンとF1参戦7年目にして前年ランキング3位のレッドブル所属のマックス・フェルスタッペンの二人によって争われ、コンストラクターズタイトル争いも両名が所属するチームによるタイトル争いとなった。 開幕戦バーレーンGPはハミルトン、第2戦エミリア・ロマーニャGPをフェルスタッペンが制すると以降は一進一退のランキング争いが展開された。ハミルトンが第3戦と第4戦の2連勝でポイントリーダーの座を一旦維持するが、フェルスタッペンが第5戦モナコGPを制すると同時にポイントリーダーの座を奪取。そこから、レッドブルとしても5連勝を記録したこともあり、第9戦終了時点では、両タイトルはフェルスタッペンとレッドブルがポイントリーダーの座に就いた。しかし、メルセデス陣営もレッドブルの5連勝の間は後れを取りつつも、第10戦までに行われた数回のアップデートによってマシンが適応していき、第10戦イギリスGPと第11戦ハンガリーGPの結果により、ハミルトンとメルセデスがポイントリーダーの座を奪還する形でサマーブレイクを迎えた。 サマーブレイク後の後半戦は、フェルスタッペンの2連勝で幕を開け、彼がポイントリーダーの座を奪還。それでも、ハミルトンが第15戦ロシアGPで通算100勝目となる優勝によってポイントリーダーの座を奪取するが、直後の第16戦トルコGPの結果によりフェルスタッペンがポイントリーダーの座を三度奪取する。フェルスタッペンは第17戦アメリカGPと第18戦メキシコシティGPの連勝により、ハミルトンとの差を開くが、対するハミルトンは第19戦サンパウロGPから第21戦サウジアラビアGPにかけ3連勝を飾り反撃。最終戦アブダビGPは47年ぶりとなる同点での対決を迎えることとなった。予選ではフェルスタッペンがポールポジションを獲得するも、決勝はハミルトンがスタート直後から首位へ浮上し独走。終始ハミルトンがレースをリードするも残り5周でニコラス・ラティフィのクラッシュによりセーフティカー導入。ここでハミルトンはピットインで逆転される可能性があったためステイアウト。フェルスタッペン側はタイヤ交換を実施し賭けに出た。セーフティカー先導のまま周回を重ねる中、最終ラップでのレース再開が決定。最終周でのハミルトンとフェルスタッペンの対決の末、フェルスタッペンが首位でチェッカーフラッグを受け、フェルスタッペンは今季10勝目を挙げると共にレッドブルとしては2013年以来、ホンダF1としては1991年以来となるドライバーズタイトル獲得となった。その一方でコンストラクターズタイトルは、レッドブルも一時はポイントリーダーに立ったものの、第11戦でメルセデスがポイントリーダーの座を奪還。以降接戦になったものの、その座を死守し続け、メルセデスチームとしてはダブルタイトル8連覇の記録は逃したものの、F1史上初のコンストラクターズ8連覇を達成している。
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