ピアノ・ソナタ 第11番 変ロ長調とは? わかりやすく解説

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ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第11番 変ロ長調

英語表記/番号出版情報
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第11番 変ロ長調Sonate für Klavier Nr.11 B-Dur Op.22作曲年1800年  出版年1802年  初版出版地/出版社Hoffmeister 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 第1楽章 1.Satz Allegro con brio6分30秒
2 第2楽章 2.Satz Adagio con molta espressione 9分00
3 第3楽章 3.Satz Menuetto3分30秒
4 第4楽章 4.Satz Rondo-Allegrretto5分30秒

作品解説

2009年2月 執筆者: 岡田 安樹浩

1800年完成されたこのソナタは、1799年着手されていたと考えられてきたが、近年では着手1800年になってからだと考えられている。
さまざまな実験試みながらも、伝統的なソナタ」の枠組みまもって作曲してきたベートーヴェンが、その枠組みを破る前の最後作品である。次作Op.26では、ソナタ形式楽章そのもの排除するという新たな一歩踏み出している。

第1楽章変ロ長調 4分の4拍子 ソナタ形式
提示部
主要主題スタッカートで上行してゆく軽快性格動機と、レガート順次下降する動機からなるバス刻み和音トレモロ上声部の跳躍するレガート3度重音低声部の音階2度反復音型など、弦楽合奏からのリダクション思わせるような推移経てヘ長調副次主題あらわれる(第31小節~)。
副次主題は2オクターヴでの3度重音によっており、第3拍目にアクセント置かれている。分散和音パッセージやオクターヴ・トレモロ奏法による経過句を経て、コデッタでは決然とした4オクターヴ・ユニゾンでの順次上下降のあとに主要主題動機一瞬顔を出す

展開部+再現部
主要主題動機とコデッタにおけるユニゾン動機交互にあらわれながら発展する。主要主題動機分散和音へと溶解し、コデッタのユニゾン動機から発展した思われる音階パッセージによって再現部移行する
再現部は主要主題副次主題ともに主調変ロ長調)であらわれコーダ拡大されることなくストレートに楽章閉じる。

第2楽章変ホ長調 8分の9拍子
和音刻みの上装飾的パッセージ展開されるAdagioの緩叙楽章変ホ長調主題属調変ロ長調による2つ主題をもつ。
中間部(第31小節~)では最初主題構成する動機展開され後半部分(第47小節~)では、両主題主調である変ホ長調再現される
この調性プラン構成法極めてソナタ形式近く、緩叙楽章ソナタ形式持ち込む試みが行われていることが伺える。

第3楽章変ロ長調ト短調 4分の3拍子 メヌエット
舞踏形式による楽章だが、この作品ではスケルツォではなくメヌエット置いている。メヌエット主部付点リズム前打音つきの装飾的な音型によって構成されており、トリオ中間部は「短調Minore」と記されており、平行調ト短調転調する絶え間なく動き回る16分音符の音型と第2拍目に強勢置いた和音動機によっている。

第4楽章変ロ長調 4分の2拍子 ロンド
軽快動き回るロンド主題は、内声属音ヘ音)が絶え保持されている。アルペジオ経過句を経てオクターヴシンコペーション主題変ロ長調あらわれる(第25小節~)。アルペジオ経過楽想の後にロンド主題動機反復されロンド主題回帰する(第50小節~)。
これに続く部分は、ロンド形式では通常新たな主題提示されるが、ここでは素材発展、展開にあてられている(第68小節~)。ロンド主題再現(第120小節~)においてもかなりの変奏技法盛り込まれており、属調主題再現の後もう一度ロンド主題あらわれ、さらに動機発展的にあつかったコーダ楽曲閉じている


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