ピアニストとしてのリストとは? わかりやすく解説

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ピアニストとしてのリスト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 08:31 UTC 版)

フランツ・リスト」の記事における「ピアニストとしてのリスト」の解説

リスト超絶的な技巧を持つ当時最高のピアニストで「ピアノ魔術師」と呼ばれ、どんな曲でも初見弾きこなした。その技巧音楽性からピアニストとして活躍した時代には「指が6本あるのではないか」という噂がまともに信じられていた。彼の死後、彼を超えるピアニスト現れいだろうと言われている。 「6本指」は誇張であるが、幼少時から指を伸ばす練習重ね、指が長く12度音程軽々押さえることができた彼は、10度超える和音連続する曲を作曲している(後にそれを8度改訂している曲もある)。彼の曲には両手広げての4オクターブの音が多用された。また速いパッセージでも音数の多い和音多用した。「ラ・カンパネッラ」に代表されるように両手オクターブ跳躍ポジションの素早い移動も多いが、その兆候処女作の「12の練習曲作品1の第6曲で既に見られる。 そんな彼でも、ショパンの「12の練習曲 作品10」だけは初見弾きこなすことができなかったという。その影響で彼はパリから突如姿を消し、数週間後に全曲弾きこなしショパン驚嘆させたことから、ショパンが同曲を献呈したという話がある。また高い演奏技術万人受けしたリスト演奏に、はじめはショパンも「あんな風に弾いてみたい」と好意的であったが、あまりの技術偏重呆れた後期否定的だった。しかし、晩年リスト技術よりむしろ表現力追求こだわった傾向見られた。 当時無名であったエドヴァルド・グリーグが、書き上げたピアノ協奏曲イ短調」の評価リスト依頼したところ、リスト初見完璧に弾きこなし、彼を褒め称えて激励した伝えられている。同じような話はガブリエル・フォーレについても伝えられ彼のピアノオーケストラのためのバラード」を初見弾き手が足りない!」と叫んだという。またワーグナーオペラ初見ピアノ用に編集しながら完璧に弾いたとも言われている。 リスト友人であったフェリックス・メンデルスゾーンの手紙にある話では、メンデルスゾーン初め出版され自分ピアノ協奏曲をもってリストの元を訪れたときに、リストはそれを初見完璧に弾きメンデルスゾーンは「人生の中で最高の演奏だった」とコメントをしたという。しかし、先のメンデルスゾーンの手紙には続きがあり「彼の最高の演奏は、それで最初で最後だ」とあったという。リストほどの技巧者にとってはどのような曲も簡単だったために、2回目以降演奏時には譜面にない即興ふんだんに盛り込んでいた。このように初見演奏技術に関しては他の追随を許さなかったリストであったが、そのために彼は演奏に関して即興重点置いていた。 リスト演奏聴いた人々文献によれば繊細ながら非常に情熱的で力強い演奏をしていたとされ、演奏中に弦が切れたり、ピアノハンマー壊れることが度々あったという。そのため、最初から3台のピアノ用意して演奏をしたこともあった。1台が壊れた次のピアノ移って演奏、といった形である。また、オーストリアピアノ製造会社であるベーゼンドルファーリスト演奏に耐えた事で有名になった。 リスト演奏聴いてあまりの衝撃気絶する観客がいた話は有名だが、リスト自身演奏中に気絶することがあったという。ほかにも、当時天才少女として名を馳せていたクララ・ヴィーク(のちのクララ・シューマン)がリスト演奏聴いてあまりの衝撃号泣したというエピソード見られるリスト即興重点置いていたため、楽譜はおろか鍵盤すら見ずに、絶え生み出されるピアノの音に耳を傾けて演奏をしていたと言われている(演奏中のリスト写真肖像画鍵盤見て弾いているものは1枚もない)。 また、リスト弟子たちには非常に演奏技術が高いと評されるピアニストが多いが、その弟子たち誰もがこぞってリスト演奏賞賛しており、誰一人貶していない。この事はリスト演奏家として絶頂期には、今日難曲と言われている曲々を(おそらくは即興により楽譜以上に音を足して見事に弾きこなしていたことの間接的な証であると言える

※この「ピアニストとしてのリスト」の解説は、「フランツ・リスト」の解説の一部です。
「ピアニストとしてのリスト」を含む「フランツ・リスト」の記事については、「フランツ・リスト」の概要を参照ください。

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