パルマスタイプ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 06:25 UTC 版)
ポリプテルス・オルナティピンニス P. ornatipinnis Boulenger, 1902 パルマスタイプにおける最大種であり、体長60cm程度まで成長する。コンゴ川流域およびタンガニーカ湖周辺に生息。小離鰭は9-11本。黒褐色の地に多数の細かい黄白色の斑点が入る。オルナティピンニスは「綺麗な羽飾り」の意。その模様から「ファンシーポリプ」と呼ばれていた。実際にその名の通り、ポリプテルスの中では頭一つ抜けた鮮やかさがある。 ポリプテルス・ウィークシー P. weeksii Boulenger, 1899 コンゴ川中流域に分布。最大体長50cm。小離鰭は8-11本。頭部が大きく尾が小さめ。背にはバンド模様の出るタイプも知られる。他のポリプテルスに比べ、身体に対しての頭のサイズが大きく、体躯も全体的に太い。ガノイン鱗が成長とともに消失するまでの期間が遅く、尻ビレによる性差はかなり大きくならないと現れない。 ポリプテルス・レトロピンニス P. retropinnis Vaillant, 1899 体長30cm-40cm。小離鰭は7-9本。「ザイールグリーン」の名で2001年からアクアリウムシーンでは広く知られており、別名のとおり、一部の個体に緑色が強く出るのが特徴。レトロピンニスという名前は、元々別の種類のポリプテルスだと思われていた経緯があり、観賞魚店等では今でもそちらを指す場合もある。 ポリプテルス・パルマス・パルマス P. palmas palmas Ayres, 1850 体長30cmほどの小型種。小離鰭は7-9本。ほとんど流通しないが過去に入荷したと思われる個体も存在する。 ポリプテルス・パルマス・ブティコフェリーP. palmas buettikoferi Steindachner, 1891 体長30cm-40cm。小離鰭は7-10本。リベリア、カメルーン、セネガル、ソリマ川、カーサモンス川、セントポール川などに分布。旧学名のローウェイの名称で呼ばれることもある。模様が濃く、黄色がかったものと茶色がかったものの2種類のタイプがいる。背ビレには黒いスポットが入る。産地差と思われる差はあるが個体差は比較的少なくバランスのとれた美しさを秘めている。顔は精悍な印象で下顎が太い。 ポリプテルス・パルマス・ポーリー P. palmas polli Gosse, 1988 独立した種 P. polli とする見解もある。体長30cmほどの小型種。ギニアおよびコンゴ川流域に分布。小離鰭は5-7本。上顎のかなり長い個体も見られる。メスの個体は胴回りが太くなりメタボリックな体型となる。古くから飼育用に流通しており、野生、ブリードどちらもよく流通している。 ポリプテルス・セネガルスP. senegalus senegalus Cuvier, 1829 最大体長50cmほど。飼育下では20-30cmくらいにしかならないことが多い。小離鰭は8-11本。名前はセネガルの国名に由来するが、本種は西アフリカ一帯に生息している。模様はなく、野生個体はくすんだ灰色、ゴールデンセネガルスと呼ばれるブリード個体はさらに明るい色をしている。安価で市場流通量は最も多く、ロングフィンやアルビノ個体を見る機会も少なくない。 ポリプテルス・セネガルス・メリディオナリスP. senegalus meridionalis Poll,1941 国内に商業用に輸入されたことはない。上記のセネガルスより大型化するというが、詳細は不明。 ポリプテルス・デルヘッツィ(デルヘジイ) P. delhezi Boulenger, 1899 「デルヘッジ」や「デルヘジー」と呼ばれることもある。体長35cm-40cm。灰褐色の地に複数の黒色の横帯が入るが、模様には個体差があり、模様のないバンドレス個体も多く流通している。コンゴ川流域に分布。小離鰭は10-13本で、パルマスタイプとしては数が多い。国内では飼育用として古くから流通し、人気のある種類。顔の比率が小さく、鼻先は他のポリプに比べてシャープな印象を受ける。また、頭部分には十字架のような模様が入る。 ポリプテルス・トゥジェルシー P. teugelsi Britz, 2004 2004年に記載された新種。2006年に初めて輸入された。カメルーン、クロス川の固有種で、体長は60~80cm。小離鰭は6-7本。ブティコフェリーに似て、黄色地に褐色、緑褐色などの斑模様が入る体色が特徴。他のポリプテルスに比べて胴長であり、成長とともに特にそれが顕著になる。オルナティピンニスと並ぶ、パルマスタイプの最大種。 ポリプテルス・モケレンベンベ P. mokelembembe Schliewen&Schafer, 2006 2006年に再記載された新種で、学名は未確認動物のモケーレ・ムベンベに由来する。体長25cmほどとポリプテルス中最小種。ザイールに生息。小離鰭は4-5本と少ない。胸ヒレの付け根部分に比較的目立つ黒斑がある。元々このポリプテルスがレトロピンニスとして知られており、後になって、「ザイールグリーン」と呼ばれていた別の種類が、実は本当のレトロピンニスであることが発覚。その後に、現在の名が与えられた。
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