バスィージ
バスィージ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 04:34 UTC 版)
詳細は「en:Basij」を参照 どちらかといえば伝統的な革命防衛隊の役割のために傘下に属する組織として、バスィージ軍(動員レジスタンス軍)があり、これは必要の時には100万人の兵力に及ぶ潜在力を持ったネットワークである。 イラン・イラク戦争時、兵員不足に悩まされたイランは、イスラム革命防衛隊の傘下で大量の義勇兵を前線に送り込んだ。同戦争における彼らの活躍を目にして、イラン指導部は、民兵部隊を制度化し、バスィージ(サーズマーネ・バスィージェ・モスタズアフィーン)を創設することに決めた。 バスィージは、軍事部隊と宗教宣伝部隊に2分される。軍事部隊は、地域的特徴で編成され、350〜420人ずつの800個までの大隊を含む。大隊は、志願制により12歳から60歳までの男性で編成される。婦人大隊(200人以下)も存在し、彼女らは、出版社、啓蒙及び慈善施設の重要ポストを占め、宗教宣伝部隊を構成している。 毎年11月26日、バスィージの総合軍事演習がイラン全土で行われている。この日、約150万人の参加者中から、軍事訓練、身体的発達、クルアーン及びホメイニーの教えの知識における数千人の優秀者が選抜され、バスィージのエリートに編入される。彼らは、教育センターで新しい民兵を教育し、マスコミで働き、外交使節団の構成下で国外に派遣され、外交団と民間勤務の緊急補充員となる。シリア騒乱でアサド政権を支援するイラン義勇兵の徴募・派遣もバスィージが担当している。 普段は市民として暮らすバスィージ隊員は、体制批判を監視する秘密警察としての側面も持つ。こうした情報提供者を含めると500万人規模という報道もある。またその強力な組織力・動員力故に、イランの選挙で保守派の票田ともなっている。 バスィージは国内外の脅威に対する防衛に参加できるものとされているが、2008年までには、それが選挙の際の投票人の動員にも使われ、そのような活動の間に改竄まで行ったとする主張もある。
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