ハッブル‐の‐ほうそく〔‐ハフソク〕【ハッブルの法則】
読み方:はっぶるのほうそく
ハッブルの法則
近い銀河ほどゆっくり遠い銀河ほど速く遠ざかる
銀河は宇宙のなかにただ散らばっているだけではなく、動いています。その動きに重要な特徴があることを発見したのがエドウィン・ハッブルです。その特徴とは、宇宙はそれ自体膨張しており、銀河はお互いに遠ざかるように動いているということです。1929年、エドウィン・ハッブル(1889-1953)は、近い銀河ほどゆっくり、遠い銀河ほど早く遠ざかっており、距離とスピードは比例することをアメリカのウィルソン山天文台で発見しました。
銀河までの距離と赤方偏移の度合いに比例関係を見出す
エドウィン・ハッブルはまず、ウィルソン山で全天の銀河を観測し、遠方の銀河の光の波長がすべて引き伸ばされ、実際の色よりも赤く見える(赤方偏移)ことを発見しました。そして、遠方の銀河までの距離と、その赤方偏移の度合いを計算し、その間に一定の比例関係があることを見出したのです。これは、「遠くの銀河ほど速い速度で遠ざかっている」ということであり、宇宙はつねに拡大しているという膨張宇宙論を証明する法則だったのです。
宇宙の変化を明らかにしそれまでの宇宙観を根底から覆す
この発見を「ハッブルの法則」といい、これはそれまでの宇宙観を根底から覆すものでした。というのは、当時は宇宙は無限の過去から未来永劫、不変なものだという考え方が支配的だったからです。ところが、エドウィン・ハッブルの発見によって宇宙にも変化があることがわかったのです。この発見は、観測技術の発達によって銀河単位で宇宙を考えることが可能になったことを抜きには語れません。
ハッブル–ルメートルの法則
ハッブルの法則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/30 08:27 UTC 版)
ハッブルの法則とは、天体の後退速度と天体までの距離は正比例するという法則である。天体の赤方偏移を測定して後退速度を求め、この法則を用いれば、特に遠方の天体までの距離の測定には効果を発揮する。ハッブルの法則式を変形すると、以下の方程式が得られる。 D = v H 0 {\displaystyle {D}={\frac {v}{H_{0}}}} ただし、 D {\displaystyle {D}} は、地球から天体までの距離 v {\displaystyle {v}} は、天体の後退速度 H 0 {\displaystyle {H_{0}}} は、ハッブル定数 しかし、ハッブルの法則は一様宇宙を仮定した場合に地球からそれほど遠くない天体では成り立つが、遠方では高次の効果が入り、線形からずれてしまう。このずれ方は宇宙の平均エネルギー密度や宇宙項の有無等に依存する。そこで、赤方偏移で表すと z<1 のところではセファイドの距離と後退速度の測定からハッブルの法則の比例係数(ハッブルパラメーター)を決定する。そして、z<1 の銀河の距離を測定する。z≒1 となる遠方では、Ia型超新星の光度と赤方偏移の測定から、宇宙モデルの検証がなされる。
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ハッブルの法則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 23:14 UTC 版)
「エドウィン・ハッブル」の記事における「ハッブルの法則」の解説
ハッブルは銀河の赤方偏移の発見者として一般に知られている。1929年、ハッブルとミルトン・ヒューメイソンは、銀河の中にあるセファイド変光星を観測し、セファイド変光星の明るさと変光周期の関係を使って、銀河の赤方偏移と距離の間の経験則を定式化した。これは、赤方偏移を後退速度の尺度と考えれば、2つの銀河の間の距離が大きくなるほど、互いに離れる相対速度も距離に比例して大きくなるというもので、今日ハッブルの法則として知られているものである。ただし、ハッブルはセファイド変光星の型(複数ある)を区別していなかったため、ハッブル定数としては、今日知られている値の約7倍の500[km/s/Mpc]という値を算出している。 これとは別に、一様等方の宇宙についてのアルベルト・アインシュタインの一般相対性理論の方程式からアレクサンドル・フリードマンが導き出した宇宙モデルには、膨張する宇宙が含まれていた。ハッブルの発見は、このモデルを実証したものでもある。 この発見は後にビッグバン理論につながることになる。
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