ハッブル則に従う膨張
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/11 08:10 UTC 版)
「ハッブルの法則」を参照 遠方の銀河とクエーサーの観測から、これらの天体が赤方偏移していることが分かっている。これは、これらの天体から出た光がより長い波長へとずれていることを意味する。この赤方偏移は、これらの天体のスペクトルをとって、それらの天体に含まれる原子が光と相互作用して生じる輝線や吸収線の分光パターンを実験室で測定したスペクトルと比較することで分かる。この分析から、光のドップラーシフトに対応した値の赤方偏移が測定され、これは後退速度として説明される。後退速度を天体までの距離に対してプロットすると、ハッブルの法則として知られている比例関係が現れる。 v = H 0 D {\displaystyle v=H_{0}D\,} ここで v は銀河や遠方の天体の後退速度 D は天体までの距離 H0 はハッブル定数。WMAP による2005年現在の観測値は 71 ± 4 km/s/Mpc 観測されているハッブルの法則については2つの説明が可能である。1つは、我々は銀河が四方に飛び去る運動の中心にいるというものである。これはコペルニクスの原理の仮定の下では受け入れがたい。もう1つの説明は、宇宙は時空の唯一の性質として、全ての場所で一様に膨張しているとするものである。この種の一様な膨張というアイデアは、ハッブルによる観測と解析が行われるより以前に一般相対論の枠組みの中で数学的に考え出されたもので、フリードマン、ルメートル、ロバートソン、ウォーカーらによって独立に提案されて(フリードマン・ロバートソン・ウォーカー計量)以来、現在もなおビッグバン理論の土台となっている。
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