ドライ・コンテナ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 15:41 UTC 版)
ドライ・コンテナ (dry container) は、身近な生活物資から工業製品・産業物資まで、大多数の一般貨物に幅広く利用されるもので、日本語では有蓋コンテナとも呼ばれる。ドライ・コンテナ輸送ができない例外品としては、液体・粉体・気体類などの状態のもので、事前に小型容器(数十キロ単位の袋 ・ フレキシブルコンテナバッグ(フレコンバッグ) ・ ガスボンベ ・ ドラム缶 ・ 小型タンク類)などに小口分割して準備することのできない貨物の他、専用の管理設備・機器が必要な要温度管理品、大物品、生物などが挙げられる。 ドライ・コンテナの形状は箱型トラックの荷台部分のような細長い箱型をしており、コンテナの基本タイプとして世界で流通しているコンテナの中では圧倒的多数を占める。サイズとしては多岐に渡るが、当然ながら流通するその国々の事情に見合ったサイズが主流となる。例えば日韓を結ぶフェリー輸送においては10 ft型ドライコンテナであったり、日本の内航船の場合は専用のサイズのコンテナが使用される。 日本では主要先進国に比べて、道路事情や各種規制により、運用制限が多々あるために、長さ20 ft、40 ftタイプがほとんどであるが、稀に10 ftおよび、日韓・日中間の輸送用として、近年では12 ftタイプも流通している。また、原則的に公道は走行できないが、神戸・名古屋などの特定地区の港では、超背高コンテナも存在している。(詳しくはハイ・キューブ・コンテナを参照) ドライコンテナの積み込み口は、後部片妻一方開きタイプが基本であるが、片側面が開くもの(画像サンプル)や、両側面が全面折戸式に開くもの、一方の妻側と片側の全面が開くいわゆる「L字二方開きタイプ」のもの、変り種として両妻側が開いてトンネル状になるタイプもある。中には側面の片側または両側の一部分だけに開口部があるコンテナ(画像サンプル)もあり、積み荷や作業環境に応じたものが選ばれる。さらに2015年に入ってからは、これまでのドライコンテナの常識を破るものとして、折り畳み式4FOLDコンテナ - YouTubeが、2015年3月24日から26日まで中国上海で開催された、インターモーダルアジア展示会で登場した。その名のとおり、ドライコンテナの4側面をコンテナの内側に倒して、最終的には薄い1枚の床板状に折りたたみ、後記の折りたたみ型のフラットラック・コンテナや、フラットベッド・コンテナのように重ねて積み上げることができ、積んだものを一個の40 ftドライコンテナ状に仕立てて空コンテナの返送料金を節約するという触れ込みのユニークなコンテナまでもが登場している。 ウィキメディア・コモンズには、ドライコンテナに関するメディアがあります。
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