デブリとの衝突
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「スリーズ (人工衛星)」の記事における「デブリとの衝突」の解説
運用開始から1年後、スリーズの姿勢が急激に変化して、700kmの極軌道上で回転をしていることが確認された。初期調査によってスペースデブリと衝突したという結論に至った。 その後イギリス宇宙トラックネットワークとNASAの観測と解析により、1996年7月24日にスリーズがデブリと衝突したということが確認された。デブリはスリーズが展開している6mの重力傾斜安定ブームに14km/s以上の速度で衝突したと考えられた。この事例はランデブーの失敗等を除いて、宇宙空間における人工物どうしの初めて確認された衝突となった。 衝突したデブリは元々アリアンロケットの部品で、カタログ登録されていた。 衝突があったにもかかわらず、スリーズとそのペイロード部品は地上制御の元、正常に稼動した。ミッション・コントロール・エンジニアらは地上制御に頼らずに衛星の方向を変える新しい姿勢制御ソフトウェアを用いて、衛星のオンボードコンピュータのプログラムの書き換えを行い、スリーズのミッションを続行させた。
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デブリとの衝突
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協定世界時2013年1月22日7時57分に、BLITSの高度を計測しているモスクワの精密機器工学研究所 (Institute for Precision Instrument Engineering・IPIE) のAndrey NazarenkoとVasiliy Yurasovは、BLITSの高度が突如約120mも下がり、自転周期も本来の5.6秒から2.1秒に変化したこと、また以前のような自転軸がぶれない回転ではなく、自転軸が動くきりもみ回転の状態に陥っているらしいことに気づいた。この事実は同年2月4日に報告された。軌道と自転の変化により、BLITSは科学衛星として使用不能に陥り、事実上の運用終了となった。これは設計寿命の5年より早い。変化後の軌道要素は高度817kmから822km、軌道傾斜角98.6度である。この急激な変化の原因は当初不明であったが、スペースデブリとの衝突と考えるのが当初から出された最も妥当な説であった。 2013年3月3日には、BLITSから放出されたと見られる新たなスペースデブリ(衛星カタログ番号39119番)の軌道要素が発表された。このことにより、BLITSは破損していると考えられている。BLITSから見ると、生じた破片は後方を追うように地球の周りを公転している。 アナリティクカル・グラフィックスの研究部門であるCSSIがデータを解析した結果、1999年5月10日に打ち上げられ、2007年1月11日に弾道ミサイルによって意図的に破壊された中華人民共和国の気象衛星風雲1号Cの破片の1つ(衛星カタログ番号30670番)に衝突したのではないかと推測した。研究結果は同年3月8日までに発表された。 BLITSと風雲1号Cの破片の接近は協定世界時2013年1月22日7時56分51.629秒である。破片はBLITSから3.109km以内に接近しており、相対速度は9.676km/sである。この程度の軌道変化を生じさせるには、破片の質量は少なくとも0.075gある必要がある。BLITSに衝突したスペースデブリが風雲1号Cの破片と判断されたのは、この日にBLITSに接近した破片がこれのみであり、またBLITSへの接近からBLITSの軌道変化まで10秒未満しかないことが主な理由だった。 しかし、その後の報道により、この風雲1号Cの破片との衝突説は否定された。NASAのデブリ分析部門は、既知のデブリのいずれもBLITSに衝突していないことを確認し、未知の流星物質や微細デブリとの衝突が軌道変化の原因となったと推定した。このような把握不可能なサイズの微細デブリはしばしば衛星に衝突しているが、BLITSのように新たな破片が生じるほどの破損を引き起こすことは稀である。
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