微小デブリ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 01:04 UTC 版)
宇宙空間に長期間曝露されていた物体の表面には衝突により多数の微小なクレーターが形成される。この成因の衝突物体が流星物質であるかデブリであるかは、クレーターの底に付着した残留物を分析したり、クレーターの形状から衝突速度と角度を推定したりすることにより判断される。 1983年に打ち上げられたスペースシャトル・チャレンジャー(STS-7)では、軌道上で窓ガラスに何かが衝突し、深さ約0.5mmの微小クレーターが形成された。衝突したのは人工衛星から剥がれた塗料片だろうと考えられている。また、1984年にチャレンジャー(STS-41-C)によって回収されたソーラーマックス衛星の外壁2.5平方メートルの表面には、約3年の宇宙空間への曝露により千個ものクレーターが形成されていた。このうちの約7割が人工的なデブリによるものとされている。 その後も同様の調査により、時代が下るにつれて衝突頻度が加速度的に上昇していることが判明している。デブリが調査された代表的なものには、 Long Duration Exposure Facility(LDEF) - 1990年に回収されるまで68ヶ月間曝露 EURECA - 曝露期間:1992年- 1993年 ハッブル宇宙望遠鏡の太陽電池パネル - 曝露期間:1990年 - 1993年 SFU - 曝露期間:1995年 - 1996年 などが含まれている。また、ミールや国際宇宙ステーションから回収されたものでも分析が行われている。 このように、現在、微小デブリとの衝突はきわめて日常的な出来事になっている。
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