ディオゲネス・ラエルティオスによる目録
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「アリストテレス全集」の記事における「ディオゲネス・ラエルティオスによる目録」の解説
詳細は「アリストテレス著作目録」を参照 上記の通り、アンドロニコスはアリストテレスの主要な講義・研究文献だけを抜き出して編纂し、それが今日伝えられている『アリストテレス全集』の原型となっているが、アリストテレスにはそれら以外にも、一般向けの対話篇など、膨大な数の著作があった。 ディオゲネス・ラエルティオスは『ギリシア哲学者列伝』の中で、アンドロニコスの編纂以前の古い資料に基づき、「書簡集」を除いても140以上の題名から成る膨大な著作目録を記録している。 そのほとんどは歴史的過程で散逸していたが、19世紀後半からの文献学的努力により、そのいくらかが今日「断片集」として復元されている。 ディオゲネスによる哲学分類 ちなみに、ディオゲネス・ラエルティオスは、そうした一連の著作の中で述べようとしているアリストテレスの見解として、哲学の領域は、 実践(プラクシス)的倫理学 政治学(家政術含む) 理論(テオリア)的自然学 論理学(他の学問の道具) であり、その目的とそれに対応する技術・能力は、 もっともらしさ(ピタノン) - 弁証術・弁論術 真理(アレーテス) - 分析論と哲学 であり、需要・効用とそれに対応する著書・手段は、 発見に役立つこと - 『トピカ』『方法論』 判断の助けになること - 『分析論前書』『分析論後書』 実際的な効用をもたらすこと - 『詭弁論駁論』 であり、真理の基準は 表象上の対象の場合 - 感覚 倫理的な事柄の場合 - 理性 であると分類・説明している。 モローの目録分類 また、フランスの文献学者ポール・モロー(フランス語版)は、このディオゲネスの著作目録を、新プラトン派の用語に則り、 普遍的問題を取り扱った著作(1-128)体系的著作(1-116)対話篇、公刊著作(1-24) 論述形式著作、講義のための著作(25-116)論理学的著作(25-73) 倫理学的著作(74-76) 創作学的著作(77-89) 理論学的著作(90-116)自然学的著作(90-110) 数学的著作(111-116) 備忘のための著作(117-128) 中間的著作(129-143) 特殊的個人的著作(144-145) と分類している。 このように、ディオゲネスが参照した分類・枠組みは、紀元前1世紀にアンドロニコスによって編纂された分類・枠組みを経ていない、より原初的・未洗練なものであり、著作の順序も異なっていることが分かる。特に、 実践(プラクシス)・創作・制作(ポイエーシス)関連の著作が、理論・観照(テオリア)関連の著作より前に来ている 自然学と自然後学(=形而上学)の分岐が生じてない 点が、大きく異なる。
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ディオゲネス・ラエルティオスによる目録
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「アリストテレス著作目録」の記事における「ディオゲネス・ラエルティオスによる目録」の解説
アリストテレスの著作目録の中で、最も有名なのが、ディオゲネス・ラエルティオスが『ギリシア哲学者列伝』の中で列挙している目録である。 「書簡集」を除いても、140以上の題名が、巻数と共に列挙されている。 ちなみに、ポール・モロー(フランス語版)はこの著作目録を、新プラトン派の用語に則り、 普遍的問題を取り扱った著作(1-128)体系的著作(1-116)対話篇、公刊著作(1-24) 論述形式著作、講義のための著作(25-116)論理学的著作(25-73) 倫理学(政治学)的著作(74-76) 創作学(弁論術・詩学)的著作(77-89) 理論学的著作(90-116)自然学的著作(90-110) 数学的著作(111-116) 備忘のための著作(117-128) 中間的著作(129-143) 特殊的個人的著作(144-146) と分類している。
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