タペストリのデザインとは? わかりやすく解説

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タペストリのデザイン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 07:42 UTC 版)

ヤーコブ・ヨルダーンス」の記事における「タペストリのデザイン」の解説

ヨルダーンスのもっとも重要な作品群中にタペストリ作用描いた多く習作がある。タペストリルネサンス期からバロック期通じて最上級芸術品とされており、制作側からするともっとも利益の上がる芸術作品だった。大規模なタペストリは、ヨーロッパの有力貴族邸宅の壁を飾るために14世紀から制作され始めている。富裕な有力者たちはヨルダーンスルーベンスコルトーナといった著名な芸術家雇い、富や権力誇示するために有名な歴史的人物神話登場人物仮託し自分たちの肖像タペストリ表現させた。ヨルダーンスはこのタペストリ分野に力をいれ、その優れた技術スタイル多くのタペストリデザインの制作依頼受けている。ヨルダーンス当時のもっとも優れたタペストリデザイナの一人として高く評価されていた。 ヨルダーンスタペストリ製作工程には、前準備としてドローイングスケッチによる下絵制作含まれていた。仕上げた下絵タペストリ原寸大サイズ拡大し油彩によってより詳細描き込みなされてから、タペストリ織り上げる職人へと渡された。ヨルダーンス前準備下絵を描くときにはほとんどの場合水彩顔料使用している。ただし油彩顔料下絵を描くこともあり、この場合にはキャリア後期キャンバス直接描いた時期以外は紙に油彩顔料描いていた。ヨルダーンス制作携わったタペストリ顧客上流階級で、自らの社会的地位を表す象徴として旅行時や従軍時に容易に持ち運びできることを特に重要視していた。 ヨルダーンス依頼主タペストリ表現した手法多岐に渡りギリシア・ローマ神話田園生活シャルルマーニュ生涯など、様々なモチーフ仮託して依頼主タペストリ登場人物として描き出したヨルダーンスのタペストリデザインには多く人物肖像がぎっしりと描きこまれていることが特徴で、その二次元平面描写タペストリ仕上がったときには表面の織柄を際立たせる役割果たし、「織物絵画」ともいえるような効果となって表れている。ヨルダーンス自身風俗画にも好んで描いた画面いっぱい多く人物肖像を、タペストリのデザインにも持ち込んだのであるタペストリ下絵として描かれた『台所情景 (Interior of a Kitchen )』がヨルダーンスタペストリ製作過程好例となっている。茶色インク用いられテーブル上の食材は黒のパステル輪郭描かれ、さらに顔料塗布されている。そして人物肖像最後に描きいれられている。最終的に完成したタペストリのデザインは下絵の『台所情景』から変更されているが、この下絵構成要素をもとにした静物画17世紀アントウェルペン画家フランス・スナイデルス描いたスナイデルすの静物画は、『台所情景』に非常に忠実に再現している。

※この「タペストリのデザイン」の解説は、「ヤーコブ・ヨルダーンス」の解説の一部です。
「タペストリのデザイン」を含む「ヤーコブ・ヨルダーンス」の記事については、「ヤーコブ・ヨルダーンス」の概要を参照ください。

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