タイエアアジアとは? わかりやすく解説

エアアジア

(タイエアアジア から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/15 13:59 UTC 版)

エアアジア
AirAsia
IATA
AK
ICAO
AXM
コールサイン
RED CAP
設立 1993年(Tune Airとして)
ハブ空港 クアラルンプール国際空港 (KLIA2)
焦点空港 コタキナバル国際空港
スナイ国際空港
ペナン国際空港
マイレージサービス BIG
親会社 Capital A Berhad
保有機材数 70機
就航地 63都市
スローガン Now Everyone Can Fly
本拠地 マレーシア クアラルンプール
外部リンク www.airasia.com
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キャピタル A
Capital A
種類 株式会社
市場情報 MYX: 5099
本社所在地 マレーシア
セランゴール州セパン
クアラルンプール国際空港
KLIA2, RedQ
設立 1993年
業種 空運業
事業内容 空運業
主要株主
関係する人物 トニー・フェルナンデス(CEO)
en:Kamarudin Meranun(会長)
外部リンク www.capitala.com
特記事項:2022年1月、AirAsia Group Berhad より社名変更
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エアバスA320neo

エアアジアマレー語: AirAsia)は、キャピタルA (マレー語: Capital A Berhad) によって運行されているマレーシア格安航空会社 (LCC) である。

概説

多くのグループ企業を抱える世界屈指の規模のLCCである。クアラルンプール国際空港を拠点に路線網を構築している。2014年には大規模なLCC専用ターミナル「Klia2」が開業した。

手荷物の受託は有料で、5リンギットである。機内清掃の簡素化を図るため、座席は革張りである。事前座席指定は15 - 25リンギットだが、子供・高齢者などは割引がある。一部路線でパック入りミネラルウォーターが提供される以外は飲料・軽食は有料にて販売される。予めオンラインで予約した場合は割引価格で提供される。原則として機内に飲食物を持ち込むことはできない。

クアラルンプール市内に近いスルタン・アブドゥル・アジズ・シャー空港に本拠地を移転する計画があったが、マレーシア政府に拒否された。

歴史

設立当初は、マレーシア政府系の重工業会社DRB-ハイコムの傘下だったが、後に業績は低迷し、経営破綻状態となった。大手レコード会社、ワーナー・ミュージックのアジア地域役員だったトニー・フェルナンデス は、持株会社チューンエア を設立し、この会社は、2001年12月2日に1リンギットで買い取られた。

エアアジアは、クアラルンプール国際空港 を拠点空港とし、格安運賃を強みにマレーシア航空の国内線独占状態を破り、2003年から黒字化を達成した。有効座席キロ英語版 は2.19USセント(2005年度)である。

2003年シンガポール・チャンギ国際空港の乗り入れをシンガポール当局から拒否されたため、シンガポールとの国境に隣接するジョホールバルスナイ国際空港を第二の拠点と位置づけ、タイバンコクへ国際線を就航させた。また、マレーシアのコタキナバル国際空港も拠点としている。

2004年には、タイとインドネシアに、それぞれ国内線を中心に運航する関連会社を設立。以後、マカオフィリピンクラークカンボジアシェムリアッププノンペンなど、アジア各地に進出する。

2006年3月24日、クアラルンプール国際空港にLCCターミナル(Low Cost Carrier Terminal)が開業し、同社のすべての便が移転した。貨物地区に暫定的に建設されたもので、貨物上屋に容易に改装できる設計となっていた。旅客増加に対応するための暫定措置として2008年以降ターミナルの増築工事が行われた。

2006年以降、主力機材であったボーイング737-300型機を、順次エアバスA320型機に置き換え、2008年に移行を完了した。2010年オーストラリアジェットスター航空と、機材や部品の共同購入などで提携した[1]

2009年までウィリアムズF1の公式スポンサーでもあったが、2010年より、トニー・フェルナンデスCEO自らが代表を務めるロータス・レーシングが参入した。

2011年5月3日以降の予約についてはサーチャージを徴収していた[2]

2014年5月、クアラルンプール国際空港に新しいLCCターミナル「Klia2」が開業した。

2014年12月、インドネシア・エアアジア8501便墜落事故が発生、乗客・乗員計162名全員が死亡したと見られる[3]

2015年1月26日以降、燃油サーチャージは不要となった[4]

2016年8月、リオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得したASEAN圏内の選手は生涯搭乗券を無料にすると発表した。銀・銅メダルの選手も5年間、2年間と無料になると発表し、ジョセフ・スクーリング選手ら6名が対象となった[5]

2022年1月28日、グループ持株会社の社名を「キャピタルA(CAPITAL A)」に変更したと発表した[6]

旧ロゴマーク

保有機材

ボーイング737-300

運航機材

エアアジア 保有機材(2025年4月現在[8][9]
機種 保有数
エアバスA320 68
エアバスA320neo 29
エアバスA321 3
エアバスA321neo 8
合計 108

発注機材

  • エアアジア・グループ全体で、エアバスA320シリーズ総発注機数592機にのぼり、エアバスが納入する単一通路航空機の最大顧客である。A320シリーズについてはエンジンは全てCFM製エンジンを選択している。
  • 2011年6月23日、エアバスA320 neoを200機発注した[10]

退役機材

  • ボーイング737-300(148席仕様)会社設立期に十数年運用後、グループ内他社へ転籍し、現在は全機引退済み。

就航路線

地域 就航地
東南アジア マレーシア マレー半島 : クアラルンプールアロースタージョホールバルコタバルクアラトレンガヌランカウイ島ペナン島
ボルネオ島 : ビントゥルコタキナバルクチンラブアン島ミリサンダカンシブタワウ
ブルネイ ブルネイ
カンボジア プノンペンシェムリアップ
インドネシア バリクパパンバンダ・アチェ英語版バリ島ジャカルタクルタジャティマカッサルメダンパダンプカンバルジョグジャカルタ
ミャンマー ヤンゴン
フィリピン セブマニラ
シンガポール シンガポール
タイ バンコク/ドンムアンチェンマイクラビープーケット
 ベトナム ダナンハノイホーチミンニャチャンフーコック島
南アジア バングラデシュ ダッカ
インド ベンガルールチェンナイコーチンハイデラバードコルカタティルチラーパッリ
モルディブ マレ
スリランカ コロンボ
東アジア 中国 北京大興広州桂林掲陽昆明南寧泉州深圳武漢
香港 香港
マカオ マカオ
台湾 台北/桃園高雄

2023年7月現在[11][12]

グループ航空会社

航空会社名 設立年 拠点空港 運航機材数
エアアジア(AK) 1993年 クアラルンプール国際空港 70
タイ・エアアジア(FD) 2003年 ドンムアン空港(バンコク) 54
インドネシア・エアアジア(QZ) 2005年 スカルノ・ハッタ国際空港(ジャカルタ) 22
エアアジア X(D7) 2006年 クアラルンプール国際空港 12
エアアジア・フィリピン(Z2) 2012年 ニノイ・アキノ国際空港(マニラ) 16
タイ・エアアジア X(XJ) 2013年 スワンナプーム国際空港(バンコク) 6
エアアジア・カンボジア 2022年[13] プノンペン国際空港シェムリアップ・アンコール国際空港 1

参入計画

設立国 備考
中国 中国光大集団河南省と覚書を結び、鄭州を拠点に運航する計画があった[14]。その後、この計画は失効した[15]
 ベトナム 2017年5月、旅行会社と提携し、ニャチャン-東京 間などの路線を運航する計画[16]。2018年12月、TMGroup(旅行会社)、Hai Au Aviationと提携し新会社を設立、2019年8月に運行開始を目指した[17][18]
かつて運航していた・計画された航空会社

テレビ番組

関連事業

詳細はCorporate Structureを参照

脚注

  1. ^ 格安航空2社、専用機体開発で提携 豪とマレーシア 日本経済新聞
  2. ^ AirAsia to introduce fuel surcharge on 3 May
  3. ^ http://www.nbcnews.com/storyline/airasia-plane-crash/search-airasia-crash-victims-end-indonesia-says-n325581
  4. ^ 燃油サーチャージなし-よくある質問 - AirAsia
  5. ^ http://www.straitstimes.com/asia/se-asia/airasia-gives-out-free-flights-for-life-to-all-asean-athletes-who-won-gold-at-the
  6. ^ https://www.aviationwire.jp/archives/243725 エアアジアグループ、キャピタルAに社名変更「もう単なる航空会社ではない」 - Aviationwire
  7. ^ a b c Our Story - The airasia LogoAirAsia (YouTube公式チャンネル)、2023年12月7日閲覧。
  8. ^ [1] - PlaneSpotters.net
  9. ^ AirAsia Fleet - AirFleets.net
  10. ^ エアバス、マレーシアのエア・アジアから200機受注 - ロイター
  11. ^ AirAsia Flights and Destinations- FlightConnections.com
  12. ^ Airasia routes and distinations - Flightradar24
  13. ^ https://www.traicy.com/posts/20240318293420/ - エアアジア・カンボジア、5月2日就航 国内2路線開設
  14. ^ エアアジア、中国でLCC設立へ 中国光大集団などと覚書 - 日本経済新聞 2017/5/14
  15. ^ エアアジア、中国合弁の覚書失効 国内線参入白紙に - 日本経済新聞 2018年9月1日
  16. ^ Malaysia's AirAsia again tries to take off in Vietnam - Nikkei Asian Review, May 23, 2017
  17. ^ エアアジア、ベトナム観光大手と提携 同国参入目指す - 日本経済新聞 2018年12月6日
  18. ^ アアジアの越合弁、19年8月に運航開始 - NAA.ASIA 2018年12月12日
  19. ^ エアアジア、ベトナムで合弁格安航空設立 4—6月にも運航開始へ - マレーシアナビ!
  20. ^ Malaysia's AirAsia calls off proposed Vietnamese JV - Reuter 2011年10月11日
  21. ^ ANAとエアアジア、『エアアジア・ジャパン』の設立に合意 - 全日本空輸ホームページ・プレスリリース
  22. ^ エアアジア社との共同事業の解消について - ANAホールディングスホームページ・プレスリリース
  23. ^ Indonesia AirAsia X Ceasing Scheduled Operations in January - Airline Geeks
  24. ^ 大空の格安競争 ~国際線で巻き起こる低価格旋風~ - テレビ東京 2008年1月29日

関連項目

外部リンク


タイ・エアアジア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/10 10:04 UTC 版)

タイ・エアアジア
ไทยแอร์เอเชีย
Thai AirAsia
IATA
FD
ICAO
AIQ
コールサイン
THAI ASIA
設立 2003年12月8日
ハブ空港 ドンムアン空港
スワンナプーム国際空港
焦点空港 チェンマイ国際空港
プーケット国際空港
マイレージサービス BIG
親会社 Asia Aviation
保有機材数 54機
就航地 61都市
本拠地 タイ バンコク
代表者 Santisuk Klongchaiya (CEO)
外部リンク www.airasia.com
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タイ・エアアジア (Thai AirAsia, ไทยแอร์เอเชีย) は、タイバンコクを本拠地とする格安航空会社である。

概要

タイ・エアアジアは、2003年エアアジアと元タイ王国首相タクシン・チナワットの関連企業シン・コーポレーションとの合弁で設立された。シン・コーポレーションが50%、エアアジアが49%の株式を保有している。2004年からタイ国内線の運航を開始した。就航当初はドンムアン空港、2006年9月からはスワンナプーム国際空港、2012年10月からは再びドンムアン空港を本拠地(ハブ空港)としている。

タイ国内線のほか、近隣国の国際線(マカオハノイプノンペンシンガポールなど)にも進出している。

2006年1月23日に、タクシン一族がシン・コーポレーション・グループの持ち株49%をシンガポールの政府系投資会社テマセクに売却したため、外資の上限を49%までとするタイの航空法外資規制に抵触することが指摘された。そのため、新たな持株会社としてアジア・エビエーション(Asia Aviation Co., Ltd.)が設立され、同社がタイ・エアアジアの株式の50%を保有している。シン・コーポレーションはアジア・アビエーションの49%の株を保有し、残りの51%はタイの事業家(Mr.Sitthichai Veerathummanoon)が保有している。2007年7月、アジア・アビエーションは所有する全ての株式を売却した[1]

2008年11月11日から、全ての運航便について燃油サーチャージを廃止したが、2011年5月3日以降の国際線予約については徴収を再開した[2]

2012年10月1日、タイ・バンコクでの拠点をスワンナプーム国際空港からドンムアン空港に全面移管された[3][4]

2020年、新型コロナウイルス感染症の影響により、国際線全便を運休とした。

2020年9月、再びスワンナプーム国際空港を発着する国内便の運航を再開した[5]

運航機材

エアバス A320-200

2023年7月現在[6][7]

就航路線

タイ・エアアジア 就航地一覧
地域 就航地
東南アジア タイ

北部 : チェンマイチェンライナーンピッサヌローク
東北部 : ウドーンターニーコーンケンナコーンパノムサコンナコーンローイエットウボンラーチャターニーブリーラム
中部 : バンコク/ドンムアンバンコク/スワンナプームホアヒン
南部  : チュムポーンラノーンスラートターニーナコーンシータンマラートプーケットクラビートランハートヤイナラーティワート

マレーシア クアラルンプールペナン島ジョホールバル
シンガポール シンガポール
インドネシア ジャカルタバリ島
カンボジア プノンペンシェムリアップ
ラオス ヴィエンチャンルアンパバーン
ミャンマー ヤンゴンマンダレー
ベトナム ハノイダナンニャチャンホーチミン
南アジア インド ラクナウ英語版ジャイプル英語版チェンナイベンガルールコーチン
バングラデシュ ダッカ
スリランカ コロンボ
モルディブ マレ
東アジア 中国 北京大興南京杭州武漢長沙広州深圳重慶成都天府昆明西安
香港 香港
マカオ マカオ
台湾 台北/桃園
日本 福岡那覇(2024年4月2日より就航予定[8]

2023年7月現在

サービスの特徴

エアバス A320の機内

受託手荷物は有料である[9]。座席は革張りだが、汚れても掃除をしやすいためである。有料で事前座席指定ができる[10]。機内への飲食物の持ち込みは禁止で[11]、飲料、軽食が機内販売されている[12]

また、タイの慣習から僧侶は優先的に搭乗している。

脚注

関連項目

外部リンク





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