スポーツとしての立ち位置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/31 07:22 UTC 版)
「eスポーツ」の記事における「スポーツとしての立ち位置」の解説
コンピュータゲームをスポーツとして分類することは議論の的となっている。一部のゲームをスポーツと認定する正当な理由として、eスポーツの人気の高まりを指摘する人がいる。一方で、ゲームが「真のスポーツ」の地位に達することはないだろうと主張する人もいる。しかし、人気が唯一の理由ではなく、「慎重な計画や正確なタイミング、熟練した遂行」こそがスポーツとして分類するための要素であるとし、すべての伝統的あるいは非伝統的なスポーツに、身体的な運動や屋外の運動場は必要ではないと主張している。2013年、『Real Sports with Bryant Gumbel』の番組内で、この話題について包み隠さず笑った。2014年のテクノロジーカンファレンスでは、Twitchの買収について質問されたESPNのジョン・スキッパー(英語版)社長(当時)は、eスポーツを「スポーツではない…競技である」と述べた。2015年、国際eスポーツ連盟が主催した世界選手権では、世界的に正当なスポーツ活動としての今後のeスポーツの認識について議論するために、国際的なスポーツ業界からのゲストを招待しパネルが開催された。 中国は当時、コンピュータゲームの中毒性が懸念されていたにも関わらず、2003年にeスポーツを本格的なスポーツとして認めた最初の国の1つである。政府はeスポーツを奨励し、選手がeスポーツに参加することで「中国のために身体を鍛える」ことにもなると述べた。さらに、2019年の初頭までに、中国は人力資源社会保障部の勧告の中でeスポーツプレイヤーを正式な職業として認めており、プレイヤーだけでなく運営者も認めている。これに基づき、2019年7月までに10万人以上がプロゲーマーとして登録しており、同部は5年後にはこのような職業に就く人が200万人を超えると予想している。 2013年、カナダの『League of Legends』プレイヤーであるShiphtur (Danny Le) が、「国際的に認められたスポーツ選手」として、アメリカのP-1Aビザを取得した最初のプロゲーマーとなった。2014年、トルコの青年スポーツ省は、プロとして認定された選手にeスポーツプレイヤーライセンスの発行を開始した。2016年、フランス政府がeスポーツを統制・認知するためのプロジェクトに取り組み始めた。フィリピンのゲームおよび娯楽委員会は、2017年7月から、プロとして認定された選手に競技ライセンスの発行を開始した。 eスポーツを正当なスポーツとして普及させるために、伝統ある国際的なスポーツ大会と並行し、いくつかのeスポーツのイベントが開催されてきた。2007年アジアインドアゲームズは初めて、他のスポーツ競技と並び、eスポーツ競技が行われた公式大会として注目された。その後のアジアインドアゲームズや後継のアジアインドア・マーシャルアーツゲームズでは、メダルの授与やエキシビションイベントとして必ず、eスポーツ競技が行われてきた。さらに、アジアトップレベルの総合競技大会であるアジア競技大会では、2022年大会におけるメダル種目としてeスポーツが含まれることとなった。2018年大会における『ハースストーン』や『スタークラフト2』『League of Legends』を中心としたeスポーツのエキシビションイベントは、2022年大会への布石として発表された。2019年の東南アジア競技大会では、eスポーツの競技種目が6つ含まれていた。 2018年と2019年には、ワールドセーリングがeセーリング・ワールド・チャンピオンシップ(英語版)を開催し、主要なスポーツ連盟がeスポーツを受け入れつつあることを示した。
※この「スポーツとしての立ち位置」の解説は、「eスポーツ」の解説の一部です。
「スポーツとしての立ち位置」を含む「eスポーツ」の記事については、「eスポーツ」の概要を参照ください。
- スポーツとしての立ち位置のページへのリンク