ジャミトフの真の目的
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/21 23:43 UTC 版)
「ジャミトフ・ハイマン」の記事における「ジャミトフの真の目的」の解説
ジャミトフがティターンズを設立した真の目的は、地球経済に打撃を与えて、地球上の選民を抹殺することにある。この思想は、地球の再生を目指した地球至上主義ゆえであったが、彼は特に極端なやり方を考えていた。汚染された地球環境再生のためにはアースノイドを含む人類の大量虐殺も想定されていたほか、表向きは、地球在住を認められていた地球連邦政府関係者や地球連邦政府議員も粛清対象であった。パプテマス・シロッコはジャミトフの理想は、アースノイドを根絶やしにするために地球連邦軍をティターンズにし、戦争によって地球経済を徹底的に窮乏に追い込んでアースノイドを餓死させ、地球から人間を消しさることによって地球を自然に戻すことであり、ティターンズとエゥーゴは同じ目的のために戦争をしていると語っている。実際、ジャミトフは「頑迷な人々は、地球上で掃討し、無知無能な者は、コロニー開発に追いあげる。それが、地球上から人間を排除する方法なのだ。今となれば、地球に残りたがるエリート意識に凝り固まった選民は、危機に陥った地球に残して、飢えさせれば良いのだ。が、そんな手段を講じているうちに地球が疲弊しすぎるという危機感があるからこそ、軍を組織して地球経済に打撃を与え、ついでに地球上の選民を抹殺する」ことを予定していた。 ただし、ジャミトフの地球環境再生への執念は、スペースノイドの間で広まったエレズムとは違うものであり、スペースノイドへの反感から端を発したものであった。ジャミトフにとってスペースノイドさえも地球を食い荒らす寄生虫であり、ニュータイプは人類の存在を脅かすミュータントでしかなかった。これはジャミトフが地球連邦政府の傲慢と堕落ぶりを目の当たりにしたことによってもたらされた確信であった。ニュータイプに関してジャミトフは、人は只今の現れ方でもニュータイプのような感覚の共有は可能だと信じており、愛情という言葉の意味をはなれた解釈だけですませて、その解釈の中でのみ利用しているから愛情が小さくなるのであり、人の意思と感性の狭隘さを突破するだけで、人はニュータイプになり得るという信条を持っていた。 しかし、バスク・オムなどには、地球環境の汚染を憂慮したジャミトフの真意は伝わっておらず、反感を買うようなスペースノイドに対する過剰な弾圧を繰り返した事が彼の破滅への引き金となっていった。とくに30バンチ事件やグラナダへのコロニー落としなど、バスク配下の部隊による残虐行為には、結果がティターンズを利するように見えても、その効果は戦術的な範囲に限られ、逆に政治的な立場を悪化させてしまう結果をもたらし、かなり苦々しく思っていたようである。そしてここで、バスクを処分できなかった事がバスクの凶行がジャミトフの意志と見なされて更なる人心の離反を生んでしまい、組織の統制の乱れや母体組織である連邦軍との角逐にまで発展してしまう。 なお、グラナダへのコロニー落としに関しては、地球連邦政府総会対策として、地球連邦政府の反ジャミトフ派がいうことをきかない場合には行う考えであったが、グラナダをグリプス2のコロニーレーザーで攻撃して破壊するというバスクが提案した作戦に対してはグラナダを失うことになるとして消極的だったほか、バスクが己の力を過信して増長していることを感じていた。 『機動戦士Ζガンダム』の準備稿によれば、ジャミトフはティターンズが善戦して、戦争が始まってすぐにエゥーゴが壊滅する事態を恐れていたという。また、ジャミトフはスペースノイドを羨望しており、人は地球に縛られてはならないと考えていたが、自分は地上から足を浮かせるだけの勇気を持てなかったという。
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