サーフィン・ボディボード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/24 02:37 UTC 版)
仙台港の建設は、仙台を一躍有名なサーフスポットに変えた。港の南側の砂浜では、外洋から入るうねりと南防波堤の反射波によって形の整った大きな三角波が発生するため、サーファーやボディボーダーを引き寄せている。向洋埠頭の南の砂浜から七北田川河口までの長浜と呼ばれる海岸線がサーフスポットとなっている。サーフスポットとしては 「仙台新港」 と呼ばれることが多いが、「仙台港」「新港」あるいは、南防波堤を略して「ナンボー」「みなぼう」などと呼ばれることもある。仙台港をホームとするランキング上位者には、2006年5位のダニーメルハドがいる。 波は夏季に高く冬季に低い。そのため、夏季はショートボードやボディボード、冬季はロングボードに適している。基本的に、南の七北田川の河口に行くにつれて波が大きくなるのであるが、海底の砂の形状や、親潮、黒潮、台風によるうねりや南防波堤の反射波などの諸要因が重なり、場所によって波の形状や大きさが違ってくるので、地元サーファーの間では更に細かく区分けされている。例えば、「杭前(くいまえ)」 といわれる場所が、最も波が大きくて上級者向けと言われている。うねりはかなり遠くからも到達し、例年の台風なら、紀伊半島沖辺りに到達すると仙台港にも回折波が入り始める。2006年に発生した台風12号の場合は、ハワイ沖にあるにも関わらず、直達波が到達して最大8m程度の波高になった。遠くで発生したうねりは周期が長くなる傾向があり、晴天で凪であっても急激に波高が大きくなるので注意が必要である。なお、宮城県沖地震や地球の反対側にあるチリで発生したチリ地震の際には津波が到達しているので、気象台発表の平均波高以外にも注意が必要なサーフスポットである。 仙台湾南部海岸・航空写真No.32 コンテナ埠頭から七北田川河口までが、サーフ・スポットとしての「仙台新港」。 仙台湾南部海岸・航空写真No.33 海面に見えるうねりの形状が、仙台港内は平面波であるのに対し、サーフスポットとしての「仙台新港」の方では、南防波堤の反射波の影響等で複雑になっており、かつ、波も高くなっている。「杭前」は、写真上で大きな離岸流が出来ている辺り。砂浜の最北端部は無料の駐車場。 2002年(平成14年)から毎年、日本プロサーフィン連盟主催のプロサーファー(男女)による国内最高峰ツアー「ジャパン・プロ・サーフィン・ツアー」(ショートボード)が開催されている。例年、台風シーズンの9月〜10月に開催される。太平洋上の台風から届くうねりを期待しての時期設定である。サーフスポットの砂浜沿いには、津波対策用の高さ3m〜15m程度の土盛りがあるが、これが建設意図にはなかったであろう「観客席」としても使用できるため、観戦にも適した開催地となっている。2003年(平成15年)から2007年(平成19年)までは、ツアーの中で最も歴史があり、賞金総額が最も高い「オールジャパンプロ」の開催地として選ばれた。
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