サービス開始へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 15:11 UTC 版)
2000年11月にはこの次世代移動体通信サービスの名称を「FOMA」に決定し、2001年5月よりおおむね国道16号線内側の東京都内・横浜市・川崎市をサービスエリアとして商用実用化することを発表した。しかし、サービススタートを急いだ余り、サービスエリアや携帯電話端末・交換機といった設備を検証する必要性から、2001年4月にドコモ(中央)インターネット公式サイトを中心に、サービスエリア内で端末を使える個人・法人モニターを4500人募集し、5月1日よりモニター試験の形でサービス運用を開始した。モニター端末は10月のサービス開始時に市販化されるN2001かP2101V、データ通信カード型のF2401が貸与された。そして同年10月1日に世界で初めて第3世代携帯電話の正式サービスを開始した。 宇多田ヒカルの新曲「traveling」を起用した宣伝活動を9月末より大々的に展開し、サービスが開始されたが、当初発売されたFOMA音声端末のN2001とP2101Vは、503iと同程度の機能+高速データ通信(P2101Vは内蔵カメラによる写真メールやテレビ電話)といった程度にも関わらず、同時期に発売された503isシリーズと比べて厚みと重みがあり、一回り以上大きいサイズである上、連続待ち受け時間が公称55時間(新幹線などで遠距離を高速移動をするとハンドオーバの位置情報通知により2時間程度で消耗する)と極端に短かった。このため初期のシリーズは電池パックが2個付属していた。 サービスエリアについては、2GHzの周波数帯を使用するW-CDMA(DS-CDMA)の通信方式が未熟で、端末が前世代のmovaとのデュアル方式でなかったために、1995年に登場した初期のPHS並に「つながらない・圏外になる・切れる」などの不満が頻発した時期もあった。周波数の特性上、サービスエリア内でもアンテナが設置されていない地下街やトンネル・ビルの高層階などではほとんど圏外であった。このFOMA開始時の反省から後継サービスのXiの端末は、前世代のFOMAとのデュアル方式となりエリア問題に対処した(Xiエリア外ではデータ通信速度は低下するものの音声通話はほぼ全国で可能とした)。 コンテンツ関連ではmovaのiモードメニューと互換性が無く、40 - 60%程度のメニューサイトが未対応であった。これらの要素から一般市場に受け入れられなかったとされる。しかし、2001年11月にはサービスインから出遅れた形ではあるもののiモーションがスタートし、2004年に第2世代携帯電話からの乗換を狙って積極的に展開する900iシリーズが登場するまでは、FOMAは最先端の携帯電話であることを感じさせる製品群が揃っていた。
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