サービス開始にあたって
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 19:01 UTC 版)
「ニフティサーブ」の記事における「サービス開始にあたって」の解説
1984年には世界最大のネットワークコミュニティとして確立していた米CompuServeの日本版を作るという構想は複数の会社が持っており、同じ頃にはCompuServeに三菱商事やアスキー等から打診はあったが、CompuServeに英語圏以外に進出する気はなく、運営に関するノウハウをライセンスしてもいいという態度であった。その上、CompuServeが要求するライセンス料が高額であったため実現していなかった。1985年、富士通と日商岩井(現・双日)がライセンス料を折半する話になり、CompuServeとの交渉の上、三井物産が既にライセンス獲得に向けた交渉を行っていたが、富士通・日商岩井がライセンスを受けることになった。 1986年2月4日に日商岩井、富士通が社員をそれぞれ7名出向させ、合弁企業としてエヌ・アイ・エフ(NIF)を設立した。翌1987年4月15日に正式サービスが開始された。エヌ・アイ・エフは公式にはNetwork Information Forumの略称であるとされる。通信サービス名はエヌ・アイ・エフとCompuServeを組み合わせてNIFTY-Serveとした。この関係から、エヌ・アイ・エフは日本におけるCompuServeの代理店ともなった。 ニフティサーブはCompuServeからコマンド形態や画面様式、クレジットカード決済を使用したオンラインサインアップや会員規約の制定、フォーラムの管理をシステムオペレータに委任するという形態のコミュニティなどのノウハウをライセンスとして受けていた。 ホストシステムはCompuServeのものを使用せず新規に開発した。機械は親会社の富士通が作るメインフレームではなく当初から汎用のUNIXワークステーション(MC68000使用機、後にはSPARCを使用したSPARCstation)を複数台用いた。一般公衆回線からの接続手段として富士通が構築していたパケット交換網(VAN)サービスFENICS(Fujitsu Enhanced Network for Information and Communication Services、富士通強化型情報通信網サービス)を利用した。 あらゆる端末から接続できるように通信プロトコルは特別な符丁を使わない無手順とし、富士通製以外のコンピュータでも接続できるとした。 ニフティサーブが開始された当時は、パソコン本体にあらかじめモデムが組込まれていなかったため、ニフティサーブやPC-VAN等に代表される商用パソコン通信をはじめとし、草の根BBS等の各種パソコン通信に接続するには電話の受話器に装着する音響カプラやコンピュータのシリアルポートに接続するモデムを別途入手する必要があり、初期の通信速度は300bps程度であった。詳細はパソコン通信#システムの項を参照。
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