コシーニャ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/25 19:04 UTC 版)


コシーニャ(ポルトガル語: coxinha)は、ブラジルの家庭料理の1つ[1]。外観を鶏のもも肉に見立てた、コロッケに似た料理である[1][2][3]。
概要
ブラジルでもコロッケ(クロケット)は食されており、ポルトガルと同じくバカリャウ(塩タラ)とジャガイモのクロケットなども食されている[4]。
コシーニャは、ブラジル特有のクロケットと言える[4]。鶏肉を用いるのが一般的である[4]。
外形は円錐形であり、「涙形」「水滴形」とも表現される[4]。衣にはマンジョッカ(キャッサバ芋)を用いるため、外側はサクサク、内側はもちもちとした食感となる[4]。
ブラジルでは軽食としても食べられており、屋台、カフェ、バールなどでスナック感覚で食されている[4][5]。
材料については、鶏肉は必須であるが、ジャガイモは使うことも、使わないこともあるため、ジャガイモを用いた場合は「ジャガイモのコシーニャ」と呼び分ける場合もある[4]。
作り方の例
- 茹でた鶏むね肉を細かく裂く[5]。
- 裏ごししたキャッサバで包み、成形する[5]。
- 型に入れて成型することもある[4]。
- 細かいパン粉を付けて、油で揚げる[5]。
- オーブンで焼き上げるスタイルもある[4]。
細かい材料、製法は地域や店、家庭によって様々に異なる[4]。例えば、中にゆで卵を入れることもある[6]。
名称と発祥
名称は「腿」を意味する「コシャ(coxa)」に由来し[1][3]、コシーニャだと「小さなもも肉」くらいの意味合いとなる[4]。
コシーニャの発祥については定かではないが、以下のような説が信じられている[7]。
- サンパウロの工業化が進んだ時代に、工場の前で毎朝鶏もも肉の焼き鳥を売っていたが、食べる際に手が汚れないようにコシーニャを作った。
- イザベル・ド・ブラジルの息子は鶏もも肉だけ食べることが出来た。そこで、宮殿のシェフが鶏もも肉に外観を似せたコシーニャを考案した。
出典
- ^ a b c “ブラジルの家庭料理!コシーニャ レシピ・作り方”. クラシル. 2025年7月26日閲覧。
- ^ “コシーニャ”. 旭化成ホームプロダクツ. 2025年7月26日閲覧。
- ^ a b “コシーニャ”. キユーピーマヨネーズ. 2025年7月26日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k 簗瀬久「四.「コロッケ」の仲間たち」『おいしいコロッケ大百科 中食コロッケの秘密』アイフォレスト出版、2008年、173-174頁。ISBN 978-4990437206。
- ^ a b c d 『W27 世界のお酒図鑑』地球の歩き方、2023年、179頁。 ISBN 978-4059207276。
- ^ 嵐よういち『ブラジル裏の歩き方』彩図社、2014年、47頁。 ISBN 978-4883929993。
- ^ トマス・ラファエル・キザンキ「もちもちしたブラジルのコロッケ “コシーニャ” (Coxinha)」(PDF)『NIFA NEWS』S/N217第2号、NPO法人流山市国際交流協会、2020年9月1日、2025年7月26日閲覧。
関連項目
外部リンク
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