クジラ類の分類・系統の研究史とは? わかりやすく解説

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クジラ類の分類・系統の研究史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/19 02:19 UTC 版)

クジラ類の進化史」の記事における「クジラ類の分類・系統の研究史」の解説

陸上哺乳類クジラ類共通性については古くから知られていた。例えば、古代ギリシャアリストテレスはその著書動物の発生』の中で、クジラ類鰓呼吸ではなく空気呼吸潮吹き)をすること、クジラ類胎生であり授乳をすることなどから、人類陸上哺乳類とともにクジラ類胎生動物現在の哺乳類に相当)という分類群収めた16世紀ピエール・ベロン(Pierre Belon)らは、クジラ陸上哺乳類同様に肺と子宮持っている指摘した1758年スウェーデンカール・フォン・リンネがその著書『自然の体系』の中で、「哺乳類」(Mammalia)という概念提唱したリンネ本人クジラ類魚類含めていたが、「哺乳類」という分類概念浸透するにつれ、クジラ類もその一部であるとひろく認められるようになった18世紀後半フランス比較解剖学者であるジョルジュ・キュヴィエクジラ後足のない哺乳類分類したクジラ類組み立て骨格パリ自然史博物館展示されていたので、彼は骨格詳細に観察し絶滅動物骨格比較することができた。その研究の中で、クジラ類構造基本的に陸上哺乳類前足構造と同じであること(相同器官)、クジラ類尾鰭使って水中を泳ぐ際の背骨の上下方向運動は、陸上哺乳類駆け時の背骨運動類似することといった、クジラ類陸上哺乳類共通する特徴見出しクジラ類古代陸上哺乳類の子孫であるという結論至った。しかし、クジラ類祖先具体的にどのような陸上哺乳類で、どういう過程経て水中生活に適応していったのか、誰も明示することができなかった。キュヴィエ以来クジラ類起源と進化史は哺乳類進化史上の大きな謎とされてきた。 20世紀中盤からの一時期骨格の特徴などからメソニクス目クジラ類祖先であると考えられことがある例えば、メソニクス類の臼歯三角形特異な形状示し原クジラ類共通している。ほかにも頭骨構造その他の解剖学的特徴原クジラ類類似していることが指摘された。このことから、メソニクス類をクジラ類直接祖先だとする説が長らく信じられていた。 20世紀後半分子生物学発展によって、クジラ類とほかの哺乳類との詳細な系統関係解明された。また、1980年代以降になるとパキスタンなどかつてのテチス海であった地域さまざまな進化段階クジラ類化石が見つかり、最初期クジラ類の進化史解明された。これら分子系統学的・古生物学研究の成果から、クジラ類祖先陸生原始的な偶蹄類”であること、クジラ類に最も近縁陸上哺乳類カバであること、分岐分類学ではクジラ類は”偶蹄類”の中の一系に過ぎないことが判明したこの分分類学考えにもとづけば、ラクダ類・イノシシ類とカバ類・反芻類含んで鯨類含まない偶蹄類”は側系統群であり、自然分類群にはなりえない。このため分岐分類学において”偶蹄類”という分類群解体された。現在ではかつての偶蹄類クジラ類のすべてを包括した概念として、鯨偶蹄類という分類名が用いられる

※この「クジラ類の分類・系統の研究史」の解説は、「クジラ類の進化史」の解説の一部です。
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