キジハタとは? わかりやすく解説

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きじ‐はた【×雉羽太】

読み方:きじはた

ハタ科海水魚岩礁にすみ、全長40センチ体色は紫褐色の地に(だいだい)色の円点多数散在する本州中部以南分布美味。あこう。あこ。


キジハタ

学名Epinephelus akaara 英名:Red grouper
地方名アコウ 
脊椎動物門硬骨魚綱スズキ目ハタ科
色 形 長崎・日本・世界 住みか 3D

※出典:長崎県水産部ホームページ

特徴
体色淡い褐色に暗めの褐色状の縞があり、さらに全体的にオレンジ色斑点散らばる沿岸の多い岩場にすみ、甲殻類好んでエサとする。ハタ類の中では冷たい水にすんでいる。釣り専門狙われ内湾堤防などが釣り場になり、市場出回る数は少ない。ハタ類の中で最もおいしいといわれ、西日本では高級魚として扱われている。夏が旬であり、関西ではアコウ料理として賞味されている。長崎近海にも多く外海岩陰によく隠れている。

分布:下北半島以南朝鮮半島南部中国台湾 大きさ:38cm
漁法:釣り 食べ方:刺身焼き物煮付け

雉子羽太

読み方:キジハタ(kijihata)

ハタ科海水魚

学名 Epinephelus akaara


キジハタ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/22 15:57 UTC 版)

キジハタ
キジハタ
保全状況評価
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
上綱 : 魚上綱 Pischformes
: 硬骨魚綱 Osteichthyes
: スズキ目 Perciformes
亜目 : スズキ亜目 Percoidei
: ハタ科 Epinephelidae
亜科 : ハタ亜科 Epinephelinae
: アカハタ属 Epinephelus
: キジハタ E. akaara
学名
Epinephelus akaara
(Temminck et Schlegel, 1843)
和名
キジハタ(雉羽太)
本文参照
英名
Redspotted grouper
Hong Kong grouper

キジハタ(雉羽太、学名:Epinephelus akaara[1])は、スズキ目ハタ科に分類される魚の一種。日本から中国沿岸の温暖な海域に分布し、高級食材として扱われる。

特徴

30cmほどのものが比較的多く見られ、最大全長で60cm近くなる個体もいる。ハタとしては小型から中型の部類である。雌性先熟の性転換をおこない、自然環境では全長約40cmでメスからオスに転換する。

体色はオレンジ色で、朱色の斑点が全身に見られる。また、背中の中央に黒っぽい大きな斑点が1つある。ノミノクチ E. trimaculatus とよく似ているが、ノミノクチは斑点が暗赤色であることから区別出来る。

目は緑色で、キジハタの語源となったキジ色をしている。体表にはぬめりがあり、その主成分はムチンとされている[2]

青森県津軽地方以南から朝鮮半島南部、中国台湾までの沿岸域に分布する。岩場に砂場が混じったような環境を好み、内湾の人工護岸周辺にも生息する。群れを作らず単独で生活し、昼は岩陰や洞窟の中にひそんでおり、夜に泳ぎだして獲物を探す。主な餌は、小型の個体は甲殻類で、成長に伴い魚中心となる。

繁殖期は初夏で、小さい卵を少しずつ産む。性転換サイズになるには10年前後かかると考えられる。またクエマハタと人工的に種間交雑させることができる[3]

別名

主に関西瀬戸内海アコウ・アコ(赤魚、茂魚)、山陰アカミズ(赤水)、長崎県福岡県などでアカアラ(赤荒)、愛知県アズキマス(小豆鱒)と呼ばれる。福岡県・北九州エリア・山陰地方では、アコウと呼ぶ場合が多い。なお、関東地方アコウ(赤魚)と呼ばれる魚はアコウダイという別の種である。

シーボルト長崎で採集した標本より学名が付けられ、その時の地方名「アカアラ」がそのまま種名 "akaara" となっている。

利用

高級魚として珍重される。初夏で、日本では造り煮付けとして食べることが多い。鍋料理にも適する。身はややピンク色をした白身で、刺身ではさっぱりとしているが、熱を通すと弾力とうまみが出てくる。 細かい鱗をきれいに落として皮を煮付けると美味である。 50cmを超える個体になると、骨が非常に硬くなる。体表にはぬめりがあり、調理の際には湯引きしてぬめりを取る工程が含まれる[4]

香港では「紅斑」(広東語 ホンパーン)と呼ばれ、ハタ類の中ではサラサハタに次いで珍重されており、主に蒸し魚として食べられる。

脚注

  1. ^ 中村潤平, 本村浩之「ハタ科Serranidaeとされていた日本産各種の帰属,および高次分類群に適用する標準和名の検討」『IchthyNatural History of Fishes of Japan』第19巻、鹿児島大学総合研究博物館、2022年、26-43頁、doi:10.34583/ichthy.19.0_262022年11月24日閲覧 
  2. ^ 中村 修,筒井 繁行 (2016). “魚類皮膚粘液レクチンの多様な世界”. 生化学 88 (6): 529–536. doi:10.14952/SEIKAGAKU.2016.880529. https://seikagaku.jbsoc.or.jp/10.14952/SEIKAGAKU.2016.880529/data/index.html. 
  3. ^ 宮原治郎, 荒川敏久, 高屋雅生「マハタ属交雑種(キジハタ×マハタ,キジハタ×クエ)の幼魚期の成長と形態」『長崎県水産試験場研究報告』第15号、長崎県総合水産試験場、1989年3月、5-11頁、ISSN 0388-8401CRID 1050564288577011456 
  4. ^ アコウの煮付”. 今治郷土料理普及協議会. 今治地方局. 2025年6月18日閲覧。

関連項目




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