カイドゥ・ウルスの解体とは? わかりやすく解説

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カイドゥ・ウルスの解体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 07:25 UTC 版)

オゴデイ・ウルス」の記事における「カイドゥ・ウルスの解体」の解説

クビライ存命中は大元ウルスとカイドゥ・ウルスとの間の戦線膠着状態にあったが、1294年クビライの死を切っ掛け事態急変する1296年アリク・ブケ家のヨブクルモンケ家のウルス・ブカらがカイドゥ・ウルスを見限って大元ウルス投降するという事件が起こり大元ウルス政治的効果狙って両者厚遇するとともに帝国各地にこの一件大々的宣伝したこのような情勢危機感抱いたカイドゥ大元ウルスに対して大攻勢に出、1298年には寧王ココチュらが率い大元ウルスモンゴリア駐屯軍ドゥア軍に大敗喫し大元ウルスの対カイドゥ戦線危機的状況陥った。 しかしココチュに代わってカイシャン(後の武宗クルク・カアン)が対カイドゥ・ウルスの司令官抜擢されると、カイシャンモンゴリア諸将人心をよく掴みカイドゥとの戦闘次第優位に立つようになる大元ウルス軍の圧倒的な物量カイシャン奮戦によってカイドゥ軍は劣勢に陥り、遂に1301年行われたテケリクの戦いカイドゥ矢傷負って退却し間もなく亡くなってしまった。 カイドゥ死後西方チャガタイ・ウルス当主ドゥア後ろ盾の下カイドゥ息子チャパルカイドゥの後を継ぎ両者大元ウルスに対して融和策に出た。ところがドゥア独自に大元ウルス講和を結び、中央アジアからオゴデイ・ウルス駆逐しよう画策した。こうして1306年東方からカイシャン率い大元ウルス軍が、南方からドゥア率いチャガタイ・ウルス軍が「西方オゴデイ・ウルス」に攻め込みチャパルオゴデイ諸王は両勢力挟撃されることになった。この時の戦況を『元史』は以下のように記述する。 [大徳十年七月、自脱忽思圏之地逾按台山、追叛王斡羅思、獲其妻孥輜重、執叛王也孫禿阿等及駙馬伯顔八月、至也里的失之地、受諸降王禿満・明里鉄木児阿魯灰等降。海都之子察八児逃於都瓦部、尽俘獲其家属営帳。駐冬按台山、降王禿曲滅復叛、与戦敗之、北辺悉平。1306年7月、[カイシャンは]脱忽思の圏の地よりアルタイ(按台)山を越え、叛王オロス斡羅思)を追い、その妻孥輜重獲得し、叛王イェスン・トゥア(也孫禿阿)ら及び駙馬バヤン伯顔)を捕らえた8月イルティシュ(也里的失)の地に至り、諸降王トゥマン(禿満)・メリク・テムル明里鉄木児)・アルグイ(阿魯灰)らの降伏受けたカイドゥ海都の子チャパル察八児)はトゥヴァ(都瓦)部に逃れチャパルの家属・営帳は全て捕らえられた。冬はアルタイ(按台)山に駐留したが、降王トゥクメ禿曲滅)が再び叛乱起こしたので、戦ってこれを破り北辺全て平定された。 — 『元史』巻22武宗本紀1 この記述見られるようにグユク・ウルス(トゥクメ)、クチュ・ウルス(アルグイ)、カダアン・ウルス(イェスン・トゥア)、メリク・ウルス(トゥマン)ら「カイドゥの国」に属していたオゴデイ系諸ウルスカイシャン遠征によって残らず大元ウルス降伏することになり、『元史』の記述によると、大元ウルス降伏してモンゴル高原移住してきた牧民の数は100万越えたという。 唯一カシ家のチャパルのみはドゥア投降し中央アジア残っていたが、1307年ドゥアの死を切っ掛けに再び蜂起する敗れ遂に大元ウルス投降した。こうしてオゴデイ・ウルス中央アジアから一掃されることとなり、かつてオゴデイ・ウルス遊牧であったジュンガル盆地一帯大部分チャガタイ・ウルス征服される至った。この「西方オゴデイ・ウルス征服経てチャガタイ・ウルス中央アジア独立した政権立てることになり、これを後世チャガタイ・ハン国」と呼称する。しかし、近年の研究では「チャガタイ・ハン国」は単純にかつてのチャガタイ・ウルス復興させたものではなくカイドゥ建設したカイドゥの国」をそのまま受け継いだのであることが明らかにされている。 なお、この1306年戦争によって「オゴデイ・ハン国滅亡したとされることもあるが、後述するように投降後のオゴデイ諸王大元ウルス統治下で自らのウルス率いて生活しており、この時「オゴデイ・ウルス」が滅亡したわけではない

※この「カイドゥ・ウルスの解体」の解説は、「オゴデイ・ウルス」の解説の一部です。
「カイドゥ・ウルスの解体」を含む「オゴデイ・ウルス」の記事については、「オゴデイ・ウルス」の概要を参照ください。

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