エビネブームとは? わかりやすく解説

エビネブーム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/12 02:23 UTC 版)

エビネ属」の記事における「エビネブーム」の解説

エビネ栽培すること自体は、日本古くら行われていた。大柄なランであり、地味ながら味わい感じられるものから、キエビネのように華やかなものまでがあり、山野草ブームなどより前から、少しずつ栽培行われた17世紀末に出版され園芸書『花壇綱目』にはエビネ栽培法記されている。そういった中で、生育範囲次第減少傾向にあった。それでも普通のエビネ身近にごく普通に見られるものであったキエビネなどは、和歌山県南部では谷間真っ黄色見えるほどに咲く場所もあったと言う。 この状況大きく変化したのは、1960年代末からの山野草ブーム流れの中で、1970年代後半より起こったエビネブームである。あっと言う間に全国広がったブームは、各地展覧会開かれ雑誌発刊され古典園芸植物東洋ランに習う形でたくさんの品種命名された。品種名のついたもの中には高額取引されたものもある。しかし、それらの新品種は以前から栽培維持されていたわけではなく大部分が山取りであった当然ながら新たな求めて山に入るものが後を断たず、数年にしてもはや野外エビネを見るのが困難な状況となった。 ところが、エビネ属ウイルスなどの伝染病にかかると観賞価値著しく下がる特性があり、東洋ランのように投機対象にできるほどの栽培安定性無かったウイルス防除煩雑さに疲れた趣味家が次々と撤退し、このブーム十年をもたずして終焉。現在では山野草の中の一ジャンルとして安定した位置にあるが、販売流通しているのは種子から新規育成され交配種大部分で、往時野生品種現存しているものは数えるほどしか無いようである。 幸いというべきかどうかエビネ人工増殖しやすい上に、カンランほど高値安定イメージ定着しなかったためもあり、現在では山奥までもぐりこんで漁りをする者が絶えない、という状況さすがになくなったその結果目立たないところでは花を見かけるともないことはない、という程度には回復しているところもある。 なお、この間ナツエビネこのような流れ埒外置かれたままで、大規模な乱獲はなかったようである。これは、高温を嫌い暖地栽培すると落したり花色が非常に悪くなること、個体変異少なく趣味家の収集欲をそそらなかったこと、他種交配する後代稔性悪く交配としての利用価値乏しかったなどの理由によるかと思われる[要出典]。 ウィキスピーシーズエビネ属に関する情報ありますウィキメディア・コモンズには、エビネ属関連するカテゴリあります

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「エビネブーム」を含む「エビネ属」の記事については、「エビネ属」の概要を参照ください。

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