ウィルソン警官の供述と証言
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/15 05:48 UTC 版)
「マイケル・ブラウン射殺事件」の記事における「ウィルソン警官の供述と証言」の解説
ウィルソンは、8月の事情聴収と9月の大陪審で事件の供述証言をした。供述によれば、ウィルソンは病人関連の要請出動を済ませた直後に盗難事件が地元のコンビニエンスストアで発生中との無線を聞いた。ウィルソンは容疑者の特徴説明を聞き、直後に黒人男性2人が通りの真ん中を歩いているのを見た。ウィルソンが2人を制止して歩道を歩くように言うと、ジョンソンは「俺達はもうすぐ目的地なんだ」と答えた。彼らが警察車両とすれ違う際、ブラウンが「お前が言ってくることがクソッタレだ(fuck what you have to say)」と言った。 その後ウィルソンが2人のいる場所へ約10フィート引き返すと、彼らがドアを開けようとした。応援招請した後、ウィルソンが「こっちへ来い」と2人に言うと、ブラウンは「一体テメエ何をするつもりだ(what the fuck are you gonna do)」と答えた。ウィルソンがドアを閉めるとブラウンが近づいてきてドアを開けたので、ウィルソンは後ろへ下がれと言いながら彼を押し戻そうと試みた。するとブラウンは腕を振って車外から私を殴ってきた。最初の一撃は「掠る程度の打撃」で、その時に自分はブラウンの腕を自分の顔から払いのけようとした。これはブラウンが左を向いて、掴んでいた盗品の葉巻をジョンソンに手渡した時だった。その後自分は支配権を取ろうとするブラウンの右腕を掴んだが、ブラウンがこちらの顔を殴ってきた。ウィルソンは、パトカー内でブラウンを制止しようとした時の様子を「自分がハルク・ホーガンを掴んでいる5歳児みたいに感じた」と語った。ウィルソンはこのことに「愕然としつつ」も、ブラウンに抵抗を止めて後退するよう何度も叫んだ。職杖や警棒を使うことも考えたが、ウィルソンが言うにはどちらも手が届かなかったという。そこで彼は銃を抜いてブラウンに狙いを定め、止めなければお前を撃つことになるぞ、と告げて地面に伏せるようブラウンに命令した。 ウィルソンによると、その時ブラウンは「俺を撃つにはお前ナヨナヨし過ぎだぜ(you're too much of a fucking pussy to shoot me)」と言って彼の銃を掴んで捻じり、こちらの臀部辺りに銃を向けてきた。揉み合いとなる中ウィルソンは引き金を2回引いたが銃は発砲しなかった。その次の試みで銃が発砲し、それでもブラウンは車内でこちらを複数回殴ろうとしてきた。ウィルソンは再びブラウンに発砲するも命中せず、ブラウンは東に逃走。一方のウィルソンは自分の車を出て、応援要請を無線通信した。ウィルソンはブラウンを追いかけて「止まれ、地面に伏せろ」と叫んだが、彼は走り続けた。ようやくブラウンが立ち止まると、振り返るや「うなり声を上げて」こちらに向かって走りだした。彼の右手はシャツの内側で腰ベルトの下(何かを持っている様子)だった。「止まれ、地面に伏せろ」という命令をブラウンが無視しているため、ウィルソンは彼に複数回発砲し、一旦やめて、再び地面に伏せるよう彼に叫んだが、なおもブラウンはこちらに向かって突進中でスピードも落ちていなかった。その後ウィルソンはもう一度銃撃を幾度か行なったが、それでもブラウンはこちらに走ってきた。ブラウンとの距離が約8-10フィート(約2.5-3m)となった時ウィルソンは更なる銃撃を行い、そのうちの1発がブラウンの頭に命中し、彼は腰ベルト内に手を入れたまま倒れた。(応援の)パトカー2台は最後の銃撃から約15-20秒後に現れたとウィルソンは語った。彼の上司が到着して、ウィルソンは警察署に送られた。 ウィルソンは、ブラウンが右手を腰ベルト内に入れて向かってきており、ブラウンが撃たれた後も依然として手が腰ベルト内側にあるように見えた、と刑事に語った。銃撃現場の医療捜査官は写真を撮っていなかったが、ブラウンの左手が腰ベルト付近で遺体の下側にあり、右手は外側に伸びていたと大陪審で証言した。
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