ETC2.0
「ETC2.0」とは、有料道路の自動料金支払いを行う次世代型システムのことを意味する表現である。
「ETC2.0」とは・「ETC2.0」の意味
「ETC2.0」は、自動車が有料道路を通行する際に、自動で料金を支払うシステムの一種である。ETCは、「Electronic Toll Collection System」を略したものだ。そして、「2.0」は、次世代のバージョンであることを表している。ETC1.0に当たる従来のETCは、有料道路の料金を自動で支払うだけのシステムであった。それに対してETC2.0は、自動支払い機能を基本としながら、様々な機能が追加してある。ETC2.0の代表的な機能としては、到着時刻の予測が挙げられる。ETC2.0は、専用の車載器を搭載することで使用が可能となる。ETC2.0の車載器は、有料道路上に設置されているITSスポットという設備にアクセスし、様々な情報のやり取りを行う。ITSスポット経由でやり取りされる情報の中には、速度やブレーキの頻度といった、プローブデータが含まれている。そのプローブデータを元にして、目的地に到着するまでにどれだけの時間がかかるかを計算する形だ。プローブデータは200m間隔で集められるため、より正確な予測が可能となる。
また、プローブデータは、渋滞が発生している場所を把握することにも繋がる。ETC2.0に対応しているカーナビを搭載していれば、ドライバーが、渋滞を回避するルートを選択することも可能となる。さらに、ETC2.0の車載器には、衛星通信が可能であるものが多い。もし、有料道路上で事故が起こったり、大規模な災害が発生したりした場合、衛星通信を使用して危険を把握することができる。衛星通信は、電波のようにトンネルで途切れることもないため、危険に繋がる情報はほぼ確実に入手可能である。
ETC2.0は、負担する料金を抑えられるという利点もある。有料道路の中には、ETC2.0を使用しているだけで、料金が割引かれるものがある。また、将来的には、ETC2.0を使用して、有料道路から一時的に退出できるようになる可能性が非常に高い。有料道路から一般道路に降りた後、改めて同じ有料道路に乗った場合、制限時間などの条件を満たしていれば、料金は降りなかった場合と同じとなる。その仕組みを利用すれば、休憩や渋滞回避目的で、気軽に一般道路に降りられるようになる。
ETC2.0がいつから導入されたのかというと、2016年からである。利用率が高まったETC1.0の機能を増やす目的で導入された。そして、すでに設置してあった、1600台分のITSスポットと連携する形で、サービスが始まった。ETC2.0は基本的に、ITSスポットが設置してある有料道路でしか使用することができない。ITSスポットは北海道から沖縄まで、日本全国規模で設置してあるが、対応できていないエリアもある。そのため、ETC2.0を使いたい場合、利用を考えている有料道路が対応しているかどうか、国土交通省が提供する情報を確認することが望ましい。
ETC2.0は、あくまでもETCであるため、取り付け方は従来のものと変わらない。自ら取り付けるのであれば、車載器を用意して、バッテリーやカーナビと配線を繋ぐ作業を行う。また、カー用品店やトヨタなどメーカーのディーラーに依頼して、取り付けてもらうという手もある。
ETC2.0を使用するのであれば、車載器はETC2.0に対応しているものを選ばなければならない。見分け方は、車載器本体のロゴを確認するのが一般的である。ETC2.0に対応していれば、「2.0」の文字が記載されていることが多い。もし、ロゴがない場合は、ETCカード挿入口のマークを確かめるという方法がある。塗りつぶされた四角のマークがなければ、ETC2.0に対応している。
ETC2.0は、従来のETC1.0に様々な機能を追加したものであり、基本となる料金の自動支払い機能は共通である。よって、ETC2.0が主流になったとしても、そのことで従来のETC車載器が使用できなくなることはない。ただ、従来のETC車載器に搭載されているセキュリティシステムは、将来的に使用できなくなる。したがって、従来のETC車載器を使用している人は、いずれは、新しいセキュリティに対応したETC2.0の車載器に交換する必要がある。
「ETC2.0」の読み方
「ETC2.0」の読み方は、「イーティーシーにーてんぜろ」あるいは「イーティーシーにーてんれい」である。- イーティーシーにーてんれいのページへのリンク