インターセックス
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インターセックスは、出生時から男性または女性の典型的な定義にあてはまらない生殖・性的構造を持って生まれた人である。両性具有とは異なる。 インターセックス(インターセクシュアリティ)は医学的に診断され、出生時にわかる場合もあれば、後で判明することもある。インターセックスだからといってトランスジェンダーやノンバイナリーと同じというわけではなく、インターセックスの人々がどのジェンダーやセクシュアリティを選ぶかは個人しだいである。インターセックスの他に「DSD(disorders of sex development)」という医学用語も使われており(日本語では「性分化疾患」と訳されることがある)、双方の言葉をめぐって論争も起きている。2019年には国際疾病分類にて「DSD(disorders of sex development)」の名称が使用され続けていることに反発し、世界のインターセックス当事者団体が共同で世界保健機関に対して改善を求める声明を発表した。
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インターセックス (intersex)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 16:46 UTC 版)
「性分化疾患」の記事における「インターセックス (intersex)」の解説
インターセックス(英: intersex)は、比較的新しい言葉で、日本語では「間性」と訳される場合もあるが、この記事ではintersexの訳語は「インターセックス」で統一している。 生物学・医学領域における「インターセックス」インターセックスとは、Webster's Seventh New Collegiate Dictionary (1963) によれば、「身体的な性の特徴が、典型的な男性と典型的な女性との間の状態」と定義されている。 アリス・ドレガー(Alice Dreger; 医療人類学・生命倫理学者)によれば、この用語を初めて用いたのは動物学・発生遺伝学者のリヒャルト・ゴルトシュミット(en:Richard Goldschmidt)(1923) である。彼はマイマイ蛾の研究において、雌雄両方の特徴を持つ個体について初めて「インターセクシュアリティ(間性)」という用語を用いた。当初「インターセックス」との用語は、蛾や魚類などの生物学の範疇において用いられていたが、やがて医学文献では、ヒトの生物学的性分化の過程における何らかの非典型的な特徴を持つ様々なレベルの症候群を包括する用語としても用いられるようになっていった (Haqq & Donahoe, 1998; Shearman, 1982; Sizonenko, 1993)。 ISNA(後述)によれば、医学においては次のような身体的状態・意味に用いられていたとしている。 出生時にどちらの性別を決定すればいいか分からない状態 「本当の」性別について曖昧な状態 外性器の外観、性腺組織、内部の生殖器、性染色体を含む様々な性別特徴の不一致 曖昧な性器 (ambiguous genitalia) の状態 19世紀の「半陰陽」の分類に基づいた用語と同義の状態 アイデンティティ・ポリティクスとしてのインターセックス「インターセクシュアリティ」「インターセックス」との用語は、1993年以降、その時代に行われていた、インターセックスの状態を持つ人々に対する治療プロトコルへの批判と、当事者を含めた新たなプロトコルの構築を求める運動において、政治的なアイデンティティとして用いられた。ISNAやインターセックス・イニシアティヴなどが運動団体の代表である。ここで用いられた「インターセックス」との用語は、医療に対する当事者の要望を可能とするためのポリティカルアイデンティティであり、ジェンダーアイデンティティとしての「インターセックス」とは意味が異なる。 ジェンダー・アイデンティティとしてのインターセックスインターセックスの状態を持つ人々の中には、自らを「男性でも女性でもない性」「中性」「第三の性」と認識する人は少数ながら存在するし、「インターセックス」との用語が、ジェンダー・アイデンティティを指すものとして用いられることもある。ただし、インターセックスの状態を持つ人々の大多数が、典型的な男性/女性としてのジェンダー・アイデンティティを持っており(たとえば、2004年から2005年にかけてドイツで行われた大規模調査 では、性分化疾患当事者439人のうち、自らを「男でも女でもない」とした人は9人で、残りの430人は通常の男性か女性のジェンダー・アイデンティティを報告している)、むしろ「インターセックス」とのステレオタイプ的なラベリングは拒絶されることが多い。
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