イギリスの軍人に対する顕彰制度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/30 16:11 UTC 版)
「コンスピキュアス・ギャラントリー・クロス」の記事における「イギリスの軍人に対する顕彰制度」の解説
イギリスの軍人に対する顕彰は功績の性質により、オーダー及びそれらと同名のメダル、並びにギャラントリー・アワーズ(Gallantry Awards)、従軍章、記念章、永年勤続・功績章に大別される。 オーダーは本来、中世の騎士団に由来、或はその制度に倣った栄典で、騎士団(勲爵士団)へ入団することが栄誉とされ、徽章はその団員証として授与されるものであり、騎士団員になったということは、勲位が与えられたことを意味している。そして、上級の勲位はナイトの爵位となる。そのため、オーダーは”騎士団勲章”と日本語表記されることもある。しかし、オーダーの名を冠する章にも、帝国功労勲章や後述する殊功勲章のように個人の功労に対して、爵位を伴わずに贈られるものもあり、これらは”功労勲章”と区別して表記される場合もある。それに対してデコレーションは個人の功績や栄誉に対して与えられるものであり、日本の従軍記章や記念章に相当するものも含まれ、これらは概ねオーダーより下位に位置する。騎士団勲章の叙勲は階級や務めた役職が主要な評価基準であり、毎年各勲章毎に定められた日に叙勲が発表される。その中でも、バス勲章と大英帝国勲章の騎士団には軍人枠が設けられている。バス勲章は重要な役職を務めた者、大英帝国勲章はその他の職務に於て功績のあった者が対象とされ、地位や階級に応じた等級に叙される。また、他の騎士団勲章も相応の職務を経験した軍人へ授与される。例えば、外地(保護領や派兵先)に於いて民事に関する任務に就いた者や、他国との同盟に関して功績のあった軍人には聖マイケル・聖ジョージ勲章、侍従武官や供奉将校のような王室関係の役職を務めた軍人にはロイヤル・ヴィクトリア勲章が贈られる。 それに対して、ギャラントリー・アワーズは個人の勇敢な行動を讃えて贈られるもので、敵前での武勇を対象とした賞であるコンバット・ギャラントリー・アワーズ(Combat gallantry awards)と、敵前以外の場所での勇敢な行動に対するブレイブリー・アワーズ(Bravery awards)に大別され、勇敢さの度合いによってそれぞれ第1乃至第4レベルの賞が設けられている。そして、受賞対象となった行動の状況によって、相応しい賞が授与される。ブレイブリー・アワーズは作戦行動中の軍人に限らず、平時に於ける様々な行為に対しても、身分や職業、年齢、性別を問わずに贈られる。レベル4の賞は佩章の形式ではなく、他の記章の綬に取り付けるクラスプである。 従軍章は戦役に従軍した将兵に贈られる。各戦役時に発行されるものの他にジェネラルサービス・メダルがあり、戦役毎に飾板が追加される。軍人の場合、レベル4のギャラントリー・アワーズは通常従軍章の綬に装着する。 記念章は君主の慶事等を記念して発行されるもので、近年のものにはエリザベス2世の即位25周年及び50周年を記念したジュビリーメダルがある。 永年勤続・功績章 (Long and Meritorious Service Medals) には、現行のものではロングサービス・アンド・グッドコンダクトメダルとメリトリアス・サービスメダルがあり、ロングサービス・アンド・グッドコンダクトメダルが15年(海兵隊を含む海軍)または18年(陸軍と空軍)以上の勤続の下士官・兵、メリトリアス・サービスメダルは27年(陸・海・空軍)又は24年(海兵隊)勤続以上で戦功以外の功績がある下士官に贈られる。 その他に、レベル4のギャラントリー・アワーズに相当する戦功以外の功績に対して贈られる、クィーンズコメンデーション・フォア・バリュアブルサービスがある。
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