アーキテクチャと互換性戦略
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/02 21:20 UTC 版)
「Macintoshのハードウェア」の記事における「アーキテクチャと互換性戦略」の解説
Appleは、Macintosh以前の製品Apple IIや本格的なDTP時代の到来をもたらしたMacintosh IIシリーズでは、簡単に開けられるボディに高い拡張性をそなえ、ボードの交換サービスで旧機種との互換性を保ちつつ長寿命を実現した製品を発表してきた。その一方で、簡潔なデザインに到達するために、「過去との互換性は画期的な製品進歩の抵抗である」(創業者であるジョブズの発言[要出典])として大胆に切り捨てるのも、よく知られた同社の伝統である。 かつての低価格機種であるPerformaやLC、Classic等のシリーズでは拡張スロット(バス)が1基ないしは2基採用されて来たが、iMacやiBookではFireWireやUSBによる外部拡張のみとする設計思想が明確になった。密閉されたボディをもち、拡張ボードを挿すためのスロットが一切設けられなかった初代Macintoshを再現するかのように、iMacにおけるPCIスロットの廃止や、iBookにおけるPCカードスロットの省略、MacBook Airにおけるメモリスロットの排除などが行われた。Mac ProやMacBook Proなどの拡張性の高い機種でハードの拡張を行うことによって、随時OS等の進歩についていくことが容易になる一方、ハードウェアの高性能化に追随するには内部拡張を行うより買い替えてしまったほうが割安な場合もある。 1994年、ハードウェアの製造ライセンスを他社(日本国内企業ではパイオニア、アキアなど)に与えてMacintosh互換機が登場した。互換機戦略自体はジョブズ復帰後の方針転換により、1998年12月末までにすべて打ち切られたが、この時期にはMacintosh自体もCHRP仕様に基づいたアーキテクチャの見直しが図られ、PCIスロットをはじめ、IDE、AGPなどPC/AT互換機で既に実装され、いわば「枯れている」ハードウェア機構がMacintoshに導入された。ハードウェアにトラブルが起きがちと云われるようになったのもSCSI→IDE (ATA)、NuBus→PCI/AGPといった基本パーツの変更を行った頃とほぼ重なっており、Appleは次々に機能拡張ファイルを更新/追加することで対応していった。 iMac・iBook以降はAppleが独自開発したチップセットを搭載しつつも、ハードウェア仕様自体の独自規格はほぼなくなり、汎用規格のみを採用するようになった。Intel Macに移行した2006年以降では、主要部品もほとんど汎用品を採用している。ただし、2016年に登場したMacBook ProはTouch BarやTouch IDを制御する「T1」コプロセッサを搭載しており、久々にApple独自のカスタムチップの搭載が復活することになった。
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