アメリカでの報道
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 17:31 UTC 版)
「神戸連続児童殺傷事件」の記事における「アメリカでの報道」の解説
事件当初、アメリカでは大した規模での報道は行われていなかった。しかし、犯人が14歳の中学生と分かった翌日の6月29日に各紙で取り上げられた。日本社会に大きな影響を与えた事件として、事件の全容を概括している。 1ヵ月前に発生した猟奇的殺害事件は、比較的凶悪犯罪の少ない日本全体を震撼させる大事件であり、橋本総理も解決に全力を傾けるよう、警察当局に指示を与えていた。犯人は警察や新聞に「殺人が楽しくてたまらない」など挑戦状を送り付け、次の犯行予告まで行い、犯罪心理学者らはその犯人像を20-40歳と推測していた。警察当局は500人の警官を投入して遂に被疑者逮捕にこぎ着けたが、発表によると被疑者は同地区に居住する14歳の中学生ということであった。この地域は最近、猫が殺されるなど残虐行為の痕跡があり、これをつめることが逮捕に至ったようだ。容疑者逮捕は一応、人々の心を落ち着かせたようだが、容疑者が14歳であるという事実が再度、国中に衝撃を与えているようだ。社会の風潮、インターネットなど、今度はかかる若年者を殺人者に仕立てていく日本の内部構造の解明が新たな要望として浮上してくる。 — ワシントン・ポスト 日本をゆるがした小学生殺人・遺棄事件で、日本社会全体をはじめ警察をも犯人を凶悪な大人と想定して調査を続けてきたが、28日、この事件は14歳の中学三年生が容疑者として連行され、事情聴取の末、自白に追い込むという結末を迎えた。日本では19歳以下を少年法対象として保護するが、本件犯人も少年で刑事被告の対象とならない。最終的には20歳までの保護処分といったことになろう。日本はこの事件のショックに動揺し、改めて家庭、社会、教育に関する議論が活発となる。10代の倫理道徳に関する議論も盛んとなっている。だが、日本の犯罪は統計的に見れば欧米のそれよりも遥かに低い。 — ニューヨーク・タイムズ 日本中を騒がせた猟奇殺人事件で14歳の中学生が容疑者として逮捕された。少年は被害者の知己であり、地域社会の普通の中学生である。この犯人は書状を新聞社などに送り付け、捜査を混乱させるとともに、世間には変質的な大人の犯行を思わせてきた。近隣の住民は犯人逮捕に安堵したと同時に、それが地域内の少年であった事実にショックを隠せない。警察は当初から大人数の捜査官を投入していたが、鳩や小動物を殺していた学生を犯人として追い込んだ手順に関してはその説明を拒否している。 — ワシントン・タイムズ
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