人となり
「人となり」とは、対象となる人に生まれつき備わっている性質や品位のことを意味する表現。
「人となり」とは・「人となり」の意味
「人となり」とは、対象となる人に生まれつき備わっている性質や品位のことを意味するが、現在は単に人間性を意味する場合にも使用される。古くから使われている言葉で、以前は背格好などの特徴も含まれていた。人となりは基本的に他者により判断されるもので、自分自身を表現する際にはあまり使用されない。人柄を褒めるようなポジティブな場面でも貶すようなネガティブな場面でも使用される。例えばポジティブな場面では「丁寧な仕事に彼女の人となりが感じられる」、ネガティブな場面では「あの尊大な態度を見ていれば彼の人となりが窺える」などと表現される。人となりは漢語に由来する言葉で、漢字で「為人」と表される熟字訓である。単体では「為」を「ひと」と読んだり「人」を「となり」と読むことはないが、組み合わさることで「ひととなり」と読まれ一つのまとまった意味を表わす言葉となる。漢字では音読みで「い」、訓読みで「ため」「す(る)」「つく(る)」「な(す)」「な(る)」と読まれる為が先に位置しているが、日本語では並びの通りには読まれない。具体例をあげると、「いじん」や「いにん」、「ためひと」と読むのは誤りである。漢語ではいじんと読まれ、為の指す「~たり」と「人」が合わさり「人たること」「人としての在り方」を意味する。
漢文ではよく用いられる表現で、有名な古典においても使用されている。中国の「史記」にある「鴻門之会(こうもんのかい)」の「君王為人不忍」は、「主君は残忍なことができない人となりだ」というように訳される。また、「論語」の「其人為也、孝弟而好犯上者、鮮矣」は「その人となりが親思いの者が、目上の者に逆らうようなことは少ないだろう」のように訳される。
「人となり」の熟語・言い回し
人となりが伺えるとは
「人となりが伺える」は、対象となる人に生まれつき備わっている性質や品位が推察できること、感じることができることを意味する。しかし「伺える」ではなく、推察できることや感じることができることを指す「窺える」を使用して「人となりが窺える」と表現するのが正しい。伺えるは訪問できることや話を聞くことができることを指す。
人となりが表れるとは
「人となりが表れる」とは、対象となる人に生まれつき備わっている性質や品位という形のないものが外に示されることを指す。持ち物だけでなくその人の態度や言葉遣いにも表れる。
人となりに触れるとは
「人となりに触れる」とは、対象となる人に生まれつき備わっている性質や品位に接することを指す。それによりどのように感じたかを表現する際などに使用される。
人となりがわかるとは
「人となりがわかる」とは、対象となる人の態度や言葉遣いなどから生まれつき備わっている性質や品位が察せられることを指す。
「人となり」の使い方・例文
「人となり」は、他者が対象となる人に生まれつき備わっている性質や品位のことを表現する際、以下のように使用される。・彼女の人となりに惹かれ、もっと仲良くなりたいと感じた。
・彼の人となりはとても素晴らしく、たくさんの人から好かれている。
・あの人の人となりを知るたびにどんどん好きになっていく。
・とっさの行動に表れたあの人の人となりにがっかりした。
・ゆったりとした美しい所作に彼女の人となりが表れている。
・この手紙の丁寧な字と言葉選びには、彼の人となりが表れている。
・あの人を見下したような表情や発言から人となりが窺える。
・彼の人となりに触れて、私もあんな風に優しい人になりたいと思った。
・上司の人となりに触れて、厳しい言葉も自分のために言ってくれたのだと気付いた。
・参考までにあなたから見た彼女の人となりを聞かせてください。
ひととなり
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/29 13:26 UTC 版)
河東郡楊県(『漢書』によると大陽県)の人である。彼は若い時から志を抱き、文帝時代に郎(宮中侍従官)として仕官した。景帝の世になると、彼は中郎将(郎中の長官)に任命された。彼は気性が激しく、自分が思ったことは、朝廷の場で大臣でも無遠慮に意見や直言を言い、彼らを屈服させることは日常茶飯事だったという。
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