その他の設備・装置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/12 20:56 UTC 版)
防除氷装置 主翼前縁やエンジンのエアインレット先端部、機内換気用空気取り入れ口、操縦室窓ガラス、ピトー管、排水用ドレーンマストにはすべての機体で、多くの機体は尾翼にも防除氷装置が備わっている。それぞれには電気ヒーターかエンジン抽気による方法のいずれかによって加熱され、空中の水分がこれらの機体外面に氷となって張り付くことで安全な飛行の妨げとなることを防ぐ。作動時の強度が選択できたり外気温度で自動的に作動するものや、一定時間ごとにサイクル動作するものなど、場所や機種によってそれぞれ多様なものがある。機体が地上にある間はランディング・ギア・スイッチの働きで、あまり高温とならないように効きが弱くされる。 放電装置 飛行中の機体に溜まる静電気を逃がすために、主翼や尾翼の動翼後端部や脚に「スタティック・ディスチャージャ」と呼ばれる放電用の短い索や棒が幾つか後ろ向きに付けられ、ここから静電気を放電している。 ボンディング 機体全体を金属のような良導体とすることで、落雷時や静電気による被害を最小限にできる。多数のリベットで緊密に繋がれたアルミ合金の構造部材を除けば、多くの金属部品同士が潤滑グリースや樹脂製の滑面などで円滑な動きを与えられと同時に電気的には絶縁されるため、「ボンディング」と呼ばれるワイヤ接続によって導電性を保つようにしている。また、同じ理由で、複合材など非金属製の材質部分では、導電塗装などを行って等電位を保つ工夫をしている。 テイル・スキッド 離着陸時に機首の引き起こしが過大になり、後部胴体尾部が滑走路に接触することで生じる衝撃緩和のためにテイル・スキッドと呼ばれる緩衝装置をまれに備える機体がある。また、新しい機体では尾部の接触を最小限にするために、尾部にセンサーを備えて滑走路との距離を測り、操縦士が過剰に引き起こそうと操縦桿を引いても一定以上は引き起こせないように電子的に調整する「電子テイル・スキッド」と呼ばれる装置が備わるものもある。
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