奇妙
「奇妙」とは、普通そうなるとは考えにくいような、珍しいさま、不思議なさま、怪しいさま、風変わりなさまなどを意味する表現である。
「奇妙」という表現自体のニュアンスはポジティブにもネガティブにも偏っておらず、どちらのニュアンスでも用いられることがある。むしろニュートラルなニュアンスで「純粋に不思議で珍しいさま」を指す意味で用いられることが多い。
「奇妙」の語源・由来
「奇妙」の「奇」の字も「妙」の字も、どちらも「不思議だ・変わっている・普通とは違っている」という意味のある字である。類似した意味の漢字を併置した構成の二字熟語であるといえる。なお、「奇」の字には「珍しい」という意味も含まれ、「妙」の字には「優れている」という意味も含まれる。
「奇妙」は中国語でも一般的な語彙であるが、中国語においては「素晴らしい」というポジティブな意味の強い表現として用いられる。「神奇巧妙」という言い方もある。
「奇妙」の類語・類義語
「奇妙」の類語・類似表現としては、「珍奇」「珍妙」「奇異」「奇怪」「奇天烈」「不思議」「不可思議」などが挙げられる。「珍奇」「珍妙」「奇異」「奇怪」などは、いずれも「奇妙」と同じく「珍しい・不思議だ・風変わりだ」という意味の字からなる二字熟語である。ニュアンスは微妙に異なる。
「奇天烈(きてれつ)」は「奇妙(=不思議だ・風変わりだ)」とほぼ同義であり、「奇妙」のニュアンスを強める意味で用いられることの多い表現である。「奇妙キテレツ」と並べて用いられることも多い。「奇天烈」という表記は当て字である。
「奇妙」の対義語
「奇妙」の対義語としては「普通」「月並」「凡庸」、あるいは「ありふれている」「どこにでもある」「珍しくない」「標準的な」などが挙げられる。「奇妙」を含む熟語・言い回し
「奇妙奇天烈」
「奇妙奇天烈」とは、「奇妙」の意味合いを強調した表現であり、「非常に風変わりなさま」「とても不思議なさま」を意味する言い回しである。「奇天烈」という表現そのものの語源は不明である。「驚き桃の木山椒の木」のような語調を整えるためだけの言い回しかもしれない。
「世にも奇妙な物語」
「世にも奇妙な物語」とは、フジテレビ系列で1990年に初めて放送されたテレビドラマシリーズのタイトルである。タモリがストーリーテラーとして登場するオムニバス形式の物語で、1話ごとにストーリーも出演者も異なる。基本的にはホラー系、ときに感動回やギャグ回も挟まれる。ありふれた日常生活に非日常の要素が紛れ込むような不思議な視聴体験が多くの視聴者から人気を博しており、2020年代現在も定期的に放送されている人気番組である。「世にも奇妙ななんかの話」
「世にも奇妙ななんかの話」とは、漫画家・ババレオが運営するブログのタイトルである。読者から寄せられた不思議な体験を漫画化して公開している。「世にも奇妙ななんかの話」と「世にも奇妙な物語」の間に直接的な関連は特にない。「世にも~」は不思議な事や素晴らしい事などを強調する意味で用いられる副詞であり、「世にも奇妙な」という言い方が被っても大して不思議ではない。
「奇妙な果実」とは
「奇妙な果実」とは、ジャズ・シンガーのビリー・ホリデイが発表した歌「Strange Fruit」の邦題である。1930年代に制作された。当時のアメリカで頻発していた人種差別をテーマにした歌であり、タイトルの「奇妙な果実」とは木に吊された状態で死んでいる黒人を指している。「奇妙」の英訳
「奇妙」は英語では strange(不思議な・風変わりな)、unusual(珍しい、普通でない)、odd(風変わりな・へんてこな)、weird(珍妙な、異様な)、funny(風変わりで面白い)、wonderful(すばらしい、不思議だ)などの語で表現しうる。ニュアンスに応じて訳語は選ぶ必要がある。き‐みょう〔‐メウ〕【奇妙】
読み方:きみょう
[名・形動]
1 珍しく、不思議なこと。また、そのさま。「科学では説明できない—な現象」
3 非常に趣・おもしろみ・うまみなどがあること。また、そのさま。
「むむ、それは—だ。世話でもそれを煮てくんな」〈人・春告鳥・初〉
[派生] きみょうさ[名]
き‐みょう〔‐ミヤウ〕【帰命】
きみょう 【帰命】
木明
姓 | 読み方 |
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木明 | きみょう |
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