奇妙な果実とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 製品 > 音楽作品 > 楽曲 > ジャズの楽曲 > 奇妙な果実の意味・解説 

きみょうなかじつ〔キメウなクワジツ〕【奇妙な果実】


奇妙な果実

作者栗本薫

収載図書伊集院大介の新冒険
出版社講談社
刊行年月1994.4

収載図書伊集院大介の新冒険
出版社講談社
刊行年月1997.6
シリーズ名講談社文庫

収載図書悪魔のような女女流ミステリー傑作選
出版社角川春樹事務所
刊行年月2001.7
シリーズ名ハルキ文庫


奇妙な果実

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/23 21:22 UTC 版)

「奇妙な果実」
ビリー・ホリデイシングル
B面 ファイン・アンド・メロウ英語版
リリース
規格 レコード
録音 1939年4月20日
ジャンル ブルース
レーベル コモドア・レコード
作詞・作曲 エイベル・ミーアポル英語版
(ルイス・アレン 名義)
テンプレートを表示

奇妙な果実」(きみょうなかじつ、原題:Strange Fruit)は、ビリー・ホリデイのレパートリーとして有名な、アメリカの人種差別を告発する歌である。

歌詞

題名や歌詞の「奇妙な果実」とは、リンチにあって虐殺され、木に吊りさげられた黒人死体のことである。歌詞は「南部の木には、変わった実がなる…」と歌い出し、木に吊るされた黒人の死体が腐敗して崩れていく情景を描写する。

「奇妙な果実」は、ニューヨークブロンクス地区のユダヤ人教師エイベル・ミーアポル英語版によって作詞・作曲された。1930年8月、彼は新聞で2人の黒人が吊るされて死んでいる場面の写真を見て衝撃を受け、これを題材として一編の詩「苦い果実 (Bitter Fruit)」を書き、「ルイス・アレン」のペンネームで共産党系の機関紙などに発表した。ミーアポルはアメリカ共産党党員であり、フランク・シナトラのヒット曲を生み出すなどした作詞・作曲家「ルイス・アレン」として活躍する一方で、ソ連スパイで死刑になったローゼンバーグ夫妻の遺児を養子として引き取るなど、社会活動も行った。ミーアポルはのちにこの詩に曲をつけ、彼の妻が共産党や教職者組合の集会で歌うようになったことで徐々に知られていった。

ビリー・ホリデイとの邂逅

1949年ビリー・ホリデイカール・ヴァン・ヴェクテン撮影

やがてこの歌は、グリニッジ・ヴィレッジのナイトクラブ「カフェ・ソサエティ英語版」の支配人バーニー・ジョセフソン英語版の聞き知るところとなり、当時そのクラブで専属歌手として働いていたビリー・ホリデイに紹介されることとなる。あまりにも陰惨な詩なので、ビリーも最初に歌った時は失敗したと思ったという。歌い終わっても初めは拍手一つ無かったが、やがて一人の客が拍手をし始めると、突如として客席全体が割れんばかりの拍手に包まれた。クラブの支配人バーニー・ジョセフソンはすぐにこの歌のもつ力を認め、ビリーに対してステージは必ずこの曲で締めるよう説得した。彼女が歌い出すまさにその瞬間、ウェイターは仕事を一時中断し、クラブの照明はすべて落とされる。そして、ピンスポットライトが1本、ステージ上の彼女を照らし出す。イントロの間、彼女は祈りを捧げるように瞼を閉じて佇立するのである。

黒人の虐殺が日常茶飯事であったこの当時、それを告発する歌を黒人女性が歌うのはあまりにも危険なことであったが、ビリーは1939年からこの歌をレパートリーに加え、ステージの最後には必ずこの曲を歌うようにさえなる。この歌はやはり黒人であったために非業の死を遂げた父のこと(肺炎を患ったが病院へ入れてもらえなかった。しかもそこは南部の都市の中でもとりわけ差別の激しいダラスであった)を彼女に思い出させ、それ故にこそこの曲を歌い続けなければならないと彼女に決心させたと、ビリーは後に語っている。ビリーと「奇妙な果実」の名はますます広く知れ渡るようになり、ついには『タイム』誌の取材までやって来るようになり、ビリーは同誌に初めて写真が掲載された黒人となる。

ビリーは自伝の中で自分も作曲に関わったと主張しているが、実際には作詞者であるルイス・アレンが作曲も1人で行なったことが明らかになっている。ビリーはこの曲を録音したいと当時契約していたコロンビアに持ちかけるが、その内容ゆえに会社からは拒否されてしまう。しかしカフェの近所のレコード店の店主ミルト・ゲイブラーの運営するインディーズレーベルコモドア」での録音を願い出たところ、コロンビアからOKが出たので「奇妙な果実」他3曲をレコーディングし、大ヒットを記録する(「コモドア」では1944年にもレコーディング・セッションを行なっている)。「奇妙な果実」は知識人層からの評価が高く、彼女の名声がこの曲によって確立されたことは疑いようがない。この曲の人気によって彼女はその特長を生かした曲、すなわち愛をテーマとしたスロー・バラードの数々を録音するようになった(「奇妙な果実」は明らかにラブ・ソングではないが)。

影響

1939年10月、『ニューヨーク・ポスト』紙のサミュエル・グラフトンは「奇妙な果実」について、「南部で虐げられる者の怒りが溢れかえるとき、そこで鳴る『ラ・マルセイエーズ』こそこの歌だ」と書いた。

この歌は後にダイアナ・ロスジョシュ・ホワイト英語版スティングロバート・ワイアットUB40トーリ・エイモスピート・シーガースージー・アンド・ザ・バンシーズカサンドラ・ウィルソンニーナ・シモンジェフ・バックリィコクトー・ツインズサウンズ・オブ・ブラックネストワイライト・シンガーズインディア・アリー、あるいはトリッキーによるリミックスなど、多くのミュージシャンがこの曲を演奏するようになった。

2002年に「奇妙な果実」はアメリカ議会図書館によって全米録音資料登録簿 (National Recording Registry) に加えられる50項目の1つとして選ばれた。

ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500」(2021年版)では21位にランクされている[1]

著作権の現況

JASRACには0S2-2070-9 STRANGE FRUITとして登録。出典:PJ(サブ出版者作品届)。

出版者はEDWARD B MARKS MUSIC COMPANY。日本でのサブ出版はソニー・ミュージックパブリッシング A事業部である[2]。作詞・作曲として登録されているのは前述の通りルイス・アレンのみである。

取り上げられた番組

日本

備考

脚注

関連項目


奇妙な果実

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/13 11:11 UTC 版)

ウィークエンドライブ 週刊地球TV」の記事における「奇妙な果実」の解説

日本の文化誤解した日本国外の映画グッズ紹介山田五郎担当書籍化もされた(ISBN 978-4877194130)。

※この「奇妙な果実」の解説は、「ウィークエンドライブ 週刊地球TV」の解説の一部です。
「奇妙な果実」を含む「ウィークエンドライブ 週刊地球TV」の記事については、「ウィークエンドライブ 週刊地球TV」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「奇妙な果実」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「奇妙な果実」の関連用語

奇妙な果実のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



奇妙な果実のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの奇妙な果実 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのウィークエンドライブ 週刊地球TV (改訂履歴)、ビリー・ホリデイ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS