『SPA!』での連載終了、移籍へ
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「ゴーマニズム宣言」の記事における「『SPA!』での連載終了、移籍へ」の解説
小林はマルコポーロ事件の後、この事件を「百四十章 マルコ廃刊からジャーナリズムを考える(扶桑社1995/08/01 ゴーマニズム宣言 第8巻)」で取り上げ、同誌廃刊の切っ掛けとなった記事「戦後世界史最大のタブー『ナチ・ガス室』はなかった』(『マルコポーロ』1995年2月号)の原稿が、小林にも送られていたとして「絶対にお時間を無駄にさせません。最初の3ページだけでもお読み下さい」と、著者が書き添えている資料の写真を掲載し、西岡昌紀を「西岡はたまたま/「反ユダヤオタク」に/はまっちゃった人なのだ」 など、激しく批判した。 これに対して西岡は、小林が掲載した資料は、「僕の『マルコ』事件についての記述があります。あれはぜんぜん事実と違うんですね。つまり、『マルコ』の原稿を僕が小林に送ったって話になってますでしょう。(中略)全然別のものなんですよ。僕が別のパンフレットを分前に彼に送ったことがあるんですけど、それが『マルコ』の原稿であったかのように書かれているんですね。」 と、小林が掲載したのは、「94年に、パンフレットを作って、随分いろんな人に送ったんですよ。送った一人に、小林よしのりもいたわけですね。それは『マルコ』の原稿とは全然違うものです。」 と語り「ナチ『ガス室』はなかった」の原稿ではなく、執筆依頼もしていないと主張。別の文書をマルコポーロの原稿としたのは「捏造」と批判、西岡は抗議文を『教科書が教えない小林よしのり』に発表したが、小林は返答をしていない。 その後、宅が、西岡を「週刊宅八郎」に招いたことが、小林を激昂させ『SPA!』決別の大きな原因になったと靍師、宅は証言。小林と『SPA!』編集部の対立、決別までを検証する座談会を収録した、『教科書が教えない小林よしのり』で、両者は以下のように語っている。 つる師「'95年3月の頭ぐらいに、小林さんが「宅の連載は不快だと伝えてきた。つまり、わしを攻撃してくる「噂真」の岡留の写真を載っけてけしからんとかさ。まず、それが一点で、次がすがさんのカラオケ。「わし」の作品を批判するすがの写真を載っけてカラオケするとは何たることかって。」(中略)つる師「3月上旬に「週宅」で西岡さんのインタビューを敢行したわけです。丁度その1号前の号で、小林さんが「ゴー宣」で西岡さんについて描いてたんですよ。編集部に対する3つ目の不満っていうのが、西岡さん問題だったんです。それも、小林さんは『宅は西岡の擁護にまわってる』みたいな書き方をしているけれども、実際ちゃんと読んでみれば宅さんはそんな記事は書いてないよねぇ。」(中略) つる師「ところが宅さんがその原稿を発表した後、3月8日になって小林さんが僕に『宅八郎を攻撃する』ということを通達してきたんです。さっきの岡留さんやすがさんなどを扱うこと自体が不快だと。で、もっと不快なのは、わしが西岡に触れた次の号で、宅が西岡にインタビューしていることだ、と。一週間後に西岡インタビューが載るってことは、宅は俺のを見て書いたんだろうって言ってきたわけ。そこまで言ってきたわけ。」(中略) — 『教科書が教えない小林よしのり』(ロフト出版、1997年)54〜65ページ 小林は、同誌での連載を1995年8月2日号で終了したが、こうした事情も、関係修復は不可能と判断した一因と考えられる。宅はこの頃から小林の圧力があったと主張するが、これに対して小林側は、『SPA!』での連載継続の意思を失ったと表明して間もなく、扶桑社の幹部から「どうすれば慰留して頂けますか?」と暗に宅や靍師らの更迭を示唆する申し出があったのを敢えて断ったとして否定している。『SPA!』での最終回では本誌への厳しい批判と他社での次回連載を告知するという異例の事態となった。 なお、『教科書が教えない小林よしのり』(ロフト1997)には、当時の小林が関係者に送付したファックスや、逆に小林に送付された内容証明郵便などが掲載されている。 その後、宅は扶桑社の意向などで小林批判を自粛。切通理作を批判するなかで誹謗中傷や自宅への嫌がらせ行為、プライバシー侵害行為を紙面上で展開し、切通の抗議を受けて連載が打ち切られた。宅の行為を容認し、連載中止に反対していた靍師も編集長を解任された。この一件で宅や靍師に憤慨した小林は『SPA!』連載分の単行本版権を扶桑社から引き上げ、双葉社に移した。
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