『変身ブーム』の中での設定変更
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 13:23 UTC 版)
「ミラーマン」の記事における「『変身ブーム』の中での設定変更」の解説
こうして、ライバル番組が一気に増加したことへの対策として、第2クールから通常のデザイン傾向に変更された怪獣が再登場する方針が改められ、明快なストーリー、アクションの強化、序々にインベーダーの作戦のスケールが大きくなり、派手な特撮シーンが増えていった。そして第3クールからミラーマンの世界観はインベーダーと人類との総力戦を描くものへと変わる。 ソルガン(太陽や星の光をエネルギーとする光線銃)以外に武器を持たず、事件の調査と航空防衛隊への指揮が中心だったSGMは、インベーダーによって基地を壊滅させられ、実力で対抗すべく大型戦闘機ジャンボ・フェニックスを導入。ミラーマンを支援する攻撃部隊としての側面を持つようになる。 また、インベーダーの策略で埋め込まれたエネルギー時限爆弾と、その対抗アイテムとして父親から与えられたカラータイマー 、そして敵の強大さをアピールするため2体の怪獣を相手にするケースも多くなり、戦いの緊迫感は俄然増した。 こうしてインベーダーの攻撃が苛烈になり、ミラーマンが絶体絶命のピンチに陥るストーリーも続出した。また番組初期でみられなかったインベーダー側のドラマが描かれる話(42、46話)や、環境破壊を批判した社会派のドラマ(32話)やインベーダーの地球侵略の理由が明かされる話(41話)もありバラエティに富んだ作風となっていく。視聴率も第34話から16%台に持ち直し、安定した人気を得るようになり、1972年から1973年にはミラーマンの弟である鏡拓也が変身したミラーマン・レッドの活躍を描いた続編『ミラーマン・兄弟』も企画されるが、こちらは映像化されることなく終わった。 このように同題材の裏番組との競争による視聴率競争や路線変更など、紆余曲折を経た本作品であるが、この作品が放映されていたのが、ヒーロー番組が乱立した空前の「変身ブーム」の頃であったことに鑑みれば、十分な人気を得た番組であったと言える。視聴率も、平均17.2%と、決して悪いものではなかった。 放送局であるフジテレビは、放送中の1972年3月から4月上旬にかけて、タカトクが発売していた2メートル大のミラーマン型キャラクター自動販売機「ジャンボキャラクター」プレゼントキャンペーンを実施。3万7千通の応募の結果、東京都内の福祉施設に寄贈され、贈呈式には主演の石田信之も駆けつけている。
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