『ウルトラマンパワード』に登場するジャミラ
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「ジャミラ (ウルトラ怪獣)」の記事における「『ウルトラマンパワード』に登場するジャミラ」の解説
『ウルトラマンパワード』第6話「宇宙からの帰還」(米国版サブタイトル:A FATHER'S LOVE「父の愛」)に登場。玩具などではパワードジャミラの名称が用いられている。 木星探査船「ジュピターIV」の宇宙飛行士で、W.I.N.R.隊員ジュリー・ヤングの姉婿でもある、ジャミラ・ミラー空軍少佐(演 - フィリップ・スチュアート / 吹き替え版 - 辻親八)が木星付近で青い光(光の生命体)に憑依され、怪獣化した。宇宙服と融合したような外見は『ウルトラマン』の登場個体からかけ離れたものであるが、肩と頭部が一体化して頸のない体形などは踏襲されている。鋭い爪と巨大な腕が武器。 「人間の心を失ってしまう前に愛娘のカレン(演 - マリッサ・セオドア / 吹き替え版 - 岡村明美)に生きて再会したい」という強い思いで地球に帰還し、人間の心が残っている間は短時間であれば人間の姿を保っていられたが、青い光に心身を乗っ取られるにつれて徐々に精神が怪獣化してゆく。最終的には自身を軍事利用するためにカレンを拉致した国家保安局への憎悪と憤怒から完全に怪獣化し、保安局のエセックス大佐(演 - ジョン・マッカーン / 声 - 有本欽隆)とその部下ダン(演 - スティーブン・クレーマー / 声 - 水野龍司)ともう1人の部下(演 - ジェシー・コインズ / 声 - 荒川太郎)が乗る自動車を踏み潰し、殺害する。その後、ウルトラマンパワードと交戦し、カレンの必死の訴えで人間の心を取り戻すが、このまま怪獣として生きることに耐えられなくなったジャミラはパワードに自分の殺害を頼み、メガ・スペシウム光線を浴びて消滅する。 父の死に際を見届けたカレンは、彼の怪獣化の原因を調査してこのようなことを繰り返さないようにするため、宇宙飛行士になることを決意する。 青い玉の詳細は大量のチタンを含むこと以外は不明だが、テレサは「ウルトラマンと同じタイプの生物かもしれない」という仮説を立てており、彼女は「家に帰ってもいい」とジャミラに語りかけていたらしい。 デザインは前田真宏。自らを改造したというイメージでH・R・ギーガーを意識しており、その肉体改造の恐さを出すため、背中のパイプが描かれた。憎しみの心に駆られ、人間性が剥落していくイメージからひび割れているイメージで描かれ、顔を廃してスリットの間から目を見せることで悲しみの表情の演出を意図している。デザイン画では初代と同様に体表にヒビが入っていた。前田は初代を監督した実相寺昭雄がこのデザインに対して怒っていたということを、樋口真嗣を通して伝え聞いている。前田は後年のインタビューでデザイン自体は気に入っているが、原典への理解が足りず若気の至りであったとする旨を述べている。 企画段階では「ジャミラ・ミラー」という名称候補があった。 『テレビマガジン』に掲載された『ウルトラマンパワード』の漫画版では、生存したままパワードによって宇宙へ運ばれるというラストを迎える。
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