『ウェルテル』成立とは? わかりやすく解説

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『ウェルテル』成立

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 02:33 UTC 版)

ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ」の記事における「『ウェルテル』成立」の解説

1772年4月ヴェッツラー移ったゲーテは、ここでも法学には取り組まず、むしろ父から離れて文学専念できることを喜んだヴェッツラーフランクフルト北方位置する小さなであったが、ドイツ諸邦から有望な若者集まっており、ゲーテは特にヨハン・クリスティアン・ケストナーやカール・イェルーザレム親しい仲となった6月9日ゲーテヴェッツラー郊外開かれた舞踏会19歳少女シャルロッテ・ブッフ出会い熱烈な恋に落ちたゲーテ毎晩女の家訪問するうになるが、まもなく彼女は友人ケストナー婚約中の間柄であることを知る。ゲーテあきらめきれず彼女に何度も手紙や詩を送り思いのたけ綴ったが、彼女を奪い去ることもできず、9月11日誰にも知らせずヴェッツラー去ったフランクフルト戻ったゲーテは、表向きは再び弁護士となったが、シャルロッテのことを忘れられ苦し日々送ったシャルロッテ結婚近づく自殺すら考えるようになり、ベッドの下に短剣忍ばせ毎夜自分の胸につき立てようと試みたという。そんな折、ヴェッツラー友人イェルーザレムピストル自殺したという報が届いた原因人妻との失恋である。この友人自殺シャルロッテへの恋という2つ体験が、ゲーテに『若きウェルテルの悩み』の構想抱かせることとなった。 続く3年間をゲーテフランクフルト過ごしたが、この間ゲーテ文名一気世界的に高めることになる二つ作品成立した。まずゲーテは『ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン』を改作したうえでメルク援助受けて1773年7月自費出版行なうが、この作品はすぐに評判となりほどなくドイツ中の注目集めた。そして1774年9月ヴェッツラーでの体験をもとにした書簡体小説若きウェルテルの悩み』が出版される若者中心に熱狂的な読者集まり主人公ウェルテル風の服装話し方流行し、また作品の影響青年自殺者急増するといった社会現象起こしドイツ越えてヨーロッパ中にゲーテ名を轟かせることになった。また生涯をかけて書き継がれていくことになる『ファウスト』に着手したのもこの頃である。 この2作品によってシュトゥルム・ウント・ドラング中心作家となったゲーテは、フリードリヒ・ハインリヒ・ヤコービとその兄ヨハン・ゲオルクヨハン・カスパー・ラヴァーターレッシングクロプシュトックなど当代一流文人たちと交流を持つようになった。また知見広げるため、ヨーロッパ各地旅行活発にし、1774年7月からはラーヴァーターと教育学者バーゼドといった友人たちと、ライン地方講演旅行行っている。1774年12月には、後にゲーテ自国ヴァイマル公国に招くことになるカール・アウグスト公がパリ旅行途上フランクフルトゲーテ訪問している。 このような中でゲーテフランクフルト屈指の銀行家の娘であるリリー・シェーネマンと新たな恋に落ちた1775年4月にはリリー友人である女性実業家デルフ仲介によって婚約に至るが、しかし宗派考え方違いから両家親族間のそりが合わず、この婚約難航した婚約直後ゲーテしがらみから逃れるようにして単身スイス旅行行きリリーへの思いを詩に託したが、結局この年秋に婚約解消することになった

※この「『ウェルテル』成立」の解説は、「ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ」の解説の一部です。
「『ウェルテル』成立」を含む「ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ」の記事については、「ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ」の概要を参照ください。

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