「血のバレンタイン」事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/11 16:39 UTC 版)
「Master of Epic -The ResonanceAge Universe-」の記事における「「血のバレンタイン」事件」の解説
オープンβ期間中の2005年2月に実施されたバレンタインイベントが、運営の思惑を超えて、大規模な集団PK行為に発展した事件。 原因は運営側の想定の甘さと説明不足にあったが、GMに誘導されるがままにイベントに参加してPKされたプレイヤーとPKさせられたプレイヤーの間にも感情的しこりが残り、長く議論を呼んだ。 前提 当時から、対人戦中心のWarAge(以下WA)に常駐するプレイヤー数は、ロールプレイング中心のPresentAge(以下PA)の常駐者を大きく下回っており、運営はWarAgeの活性化と相互交流を意図していた。 そのため、PA常駐プレイヤーをWAのマップに誘導し、WAを探索しながら報酬アイテムを入手させ、3つのサーバーごとに達成度を競わせる、というイベントが設計された。 WA常駐プレイヤーは、PA側プレイヤーを妨害する役割を割り当てられ、サーバーごとに妨害達成度を競うこととなった。 したがって、プレイヤー間の戦闘(PvP)が発生することは織り込み済みの企画だったが、運営はWAプレイヤーが「協力体勢というか手加減してくれるかと楽観視し」、一方的なPK行為を想定しなかった。 また、PA・WA双方のプレイヤーに対してイベントの趣旨を事前説明することもなかった。 推移 事件の推移は以下の通り。 2005年2月、『オリアクスとルーチェの「恋のドキ☆ドキ Attack!~バレンタイン大作戦~」』の開催が告知される。 2月14日20時、イベント開始。GMが、PAからの参加プレイヤーに対してWAの集合地点に移動するよう誘導をおこなう。PA側参加者は約1000人。 22時頃、WAに集合したPAプレイヤーに対し、ゲーム内素材からチョコレートを作りプレゼントしあってカップルを成立させるように指示。 22:30頃、「カップルを成立させるキーアイテムが奪われたため、イベント参加者はWA内のエルガディンおよびビスク本拠地に攻め込みキーアイテムを取り戻すこと」が指示される。この時点ではじめてPA側プレイヤーは対人戦要素を告知された。同じ頃、WA常駐プレイヤーに対しPA側を迎撃してキーアイテムを守ることが指示された。 23時頃までに、ほとんどのPA側参加者がWA側参加者によってPKされたと見られる。WA側参加者からも「すさまじく虐殺」「このイベント問題あるような」などの声が上がるほどゲーム性を欠いた一方的な展開となった。 イベント1日目は翌15日の午後まで継続し、WA側の迎撃ボイコットによってキーアイテムを入手できたPA側プレイヤーも出た。 問題点 PA側参加者はWA側を人数で大きく上回っていたにも関わらず、対人戦として拮抗しなかった原因は以下が指摘される。 ・運営側から対人戦であると告知されていなかったため、装備や士気が不足していた(そもそもGMからはチョコレートの素材だけを持ち込むように誘導されていた)。 ・PA側の参加者はエルガディン・ビスクいずれにも所属していない「中立」状態のキャラがほとんどで、システム上同士討ちが可能な状態で、集団戦闘の上でいちじるしく不利だった。 ・WA常駐プレイヤーの一部は、運営の不手際をついて正式な迎撃開始前から愉快犯的にPKを行っていたとされる。 結果 PA側参加者の多くは一方的な対人戦に参加させられたことに不満を表明した。一方WA側参加者は、GMの指示通り対人戦に参加したにも関わらず、母数の多いPA側プレイヤーからPKを非難されることとなり、反発した。15日夜から翌16日にかけてのイベント2日目は、対人戦要素のない内容に変更されてPA内で実施された。ゲームを運営するハドソンのディレクターとプランナーは、後日ゲーム誌のインタビューで「進行上の問題によって,狙いとは大きく離れてしまい」「プレイヤーの皆さんには本当に申し訳ない」と謝罪した。
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