から‐よう〔‐ヤウ〕【唐様】
唐様
唐様
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唐様とは中国の書風のことで、禅僧による唐様を特に墨跡と呼ぶ。 墨跡 詳細は「禅林墨跡」を参照 墨跡は鎌倉時代から江戸時代まで続いた。鎌倉時代は宋の書風で、中国の禅僧の間に流行した蘇軾、黄庭堅、米芾、張即之などの書を指し、晋唐の規範や伝統から解放された自由剛健なもので、奈良朝以来行われた線の軟らかい王羲之風のものとは全く趣きを異にするものである。宋の滅亡後、元が興ったが、禅僧の往来は益々頻繁であった。室町時代は元の書風で、雪村友梅・寂室元光らは趙孟頫の影響を受けている。この時代も禅宗は公家や武家の帰依を受け発展を続けた。また五山文学が盛行するとその禅僧の書風に日本趣向が加味された五山様が流行した。江戸時代の墨跡は、大徳寺・妙心寺の禅僧と黄檗派の禅僧の書を言い、明の文徴明・祝允明・董其昌の書風が加味され、主として武家、漢学者、僧侶の間に用いられた。黄檗僧の中で隠元隆琦・木庵性瑫・即非如一の3人は特に能書で黄檗の三筆と称された。 唐様 墨跡の中国書法が北島雪山・細井広沢らに伝わり唐様として発展していく。唐様は儒者・文人などに用いられ、寂厳・池大雅らが継承し、江戸時代末期には幕末の三筆と呼ばれる市河米庵・巻菱湖・貫名菘翁の3人へと展開していった。この3人は武家や儒者に信奉者が多く、特に江戸の市河米庵は諸大名にも門弟があり、その数5000人とも言われた。江戸時代中期頃から書法の研究が進み、これまでの元・明の書風から晋唐の書風を提唱する者が現れ、巻菱湖・貫名菘翁らは晋唐派であり、市河米庵などは明清派であった。この2派の流れは明治時代になってからも続き、この幕末の三筆により明治時代以降、多くの著名な書家が綿々と輩出されている。 詳細は「日本の漢字書家一覧」を参照 「売り家と唐様で書く三代目」とは、初代が築き上げた家産を3代目が使い果たして没落する様を皮肉った川柳であるが、ここでは唐様が遊芸の象徴として扱われている。
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唐様
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/18 13:37 UTC 版)
墨跡 この時代の墨跡は、大徳寺・妙心寺の禅僧と黄檗派の禅僧の書をいい、宋の米芾、元の趙孟頫、明の文徴明・祝允明・董其昌の書風である。寛永10年(1633年)の鎖国令によって中国の書籍・法帖などの輸入がきわめて制限されている中、この黄檗僧たちの書は主として儒者・文人・僧侶などに受け入れられた。黄檗僧の中で隠元隆琦、木庵性瑫、即非如一の3人は特に能書で黄檗の三筆と称された。 唐様 墨跡の中国書法は北島雪山に伝授され、雪山は唐様の創始者として活躍した。その書法は江戸の門人細井広沢に伝えられ、唐様の流行を確固たるものにした。そして広沢は『観鵞百譚』など多くの著書を残し、唐様推進の原動力となった。その後、寂厳・池大雅らが継承し、江戸時代末期には幕末の三筆と呼ばれる市河米庵・巻菱湖・貫名菘翁の3人へと展開していった。この3人は武家や儒者に信奉者が多く、特に江戸の市河米庵は諸大名にも門弟があり、その数5,000人ともいわれた。江戸時代中期ごろから書法の研究が進み、これまでの元・明の書風から晋唐の書風を提唱する者があらわれ、巻菱湖・貫名菘翁らは晋唐派であり、市河米庵などは明清派であった。この2派の流れは明治時代になってからも続き、明治時代の多くの書家に影響を与えていく。 この時代に書名のあった人物(唐様) 詳細は「日本の書家一覧#唐様」を参照 この時代の筆跡(唐様) 筆跡名筆者年代書体、書風現所在拈香偈 隠元隆琦 1669年 草書、墨跡(明風) 萬福寺 竹林二字 即非如一 不詳 行書、墨跡 萬福寺 鉄牛和尚五十初度偈 木庵性瑫 1677年 草書、墨跡 浄住寺 白髪千梳詩 独立性易 不詳 草書、墨跡(黄檗様) 京都国立博物館 庵字 白隠慧鶴 18世紀中ごろ 行草、墨跡 松蔭寺 朱子家訓 石川丈山 不詳 隷書、唐様 唐詩屏風 北島雪山 不詳 行草、唐様 永青文庫 西湖十景 細井広沢 1720年 行草、唐様 東京国立博物館 戊辰臘八大雪買酒 亀田鵬斎 1808年 楷書、唐様 東京国立博物館 維馨尼宛書状 良寛 19世紀前半 行草、唐様 良寛記念館 王維竹里館裴迪竹里館 池大雅 不詳 草書、唐様 詩仙堂 市河寛斎墓銘 市河米庵 1820年 楷書、唐様(顔真卿風) 本行寺 高都護驄馬行 巻菱湖 1823年 行書、唐様 書状 狩谷棭斎 1824年 草書、唐様(晋唐風) 前赤壁賦 市河米庵 1827年 楷書、唐様 東京国立博物館 狩谷棭斎墓碣銘 小島成斎 1835年 楷書、唐様(虞世南風) 法福寺 朱子家訓 貫名菘翁 1853年 楷書、唐様(褚遂良風) 白隠慧鶴・達磨図 池大雅・十便十宜図(釣便図) 亀田鵬斎・瀑近春風温 巻菱湖・五仙騎五羊(左幅) 巻菱湖・五仙騎五羊(右幅) 貫名菘翁・山水詩画双幅 市河米庵・景幽佳兮足真賞
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