公卿補任とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 社会 > 身分 > 補任 > 公卿補任の意味・解説 

くぎょうぶにん〔クギヤウブニン〕【公卿補任】

読み方:くぎょうぶにん

公卿氏名就任年月官位などを年代順に記した職員録神武天皇の代から明治元年1868)までを記録する


公卿補任〈藤原俊成、同定家筆/〉

主名称: 公卿補任〈藤原俊成同定家筆/〉
指定番号 2396
枝番 00
指定年月日 1982.06.05(昭和57.06.05)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 書跡・典籍
ト書 俊成筆本 自長治三年至大三年残簡定家筆本 自建久九年至承久三年
員数 2帖
時代区分 鎌倉
年代
検索年代
解説文:  『公卿補任』は貴族職員録で、わが国神代以降公卿記録として知られている。この冷泉家本藤原俊成定家父子それぞれ書写して常用し所持本である。うち俊成筆本はもと綴葉装で現在九丁を存し長治三年一一〇六)条から大治三年一一二八)条に至る間およそ十年分を断続して存している。また定家筆本は綴葉装(九括)で一四八丁存し建久九年(一一九八)条から承久三年一二二一)条に至る二十年分収め、うち建暦元年一二一一)条以降には筆者である定家自身補任記事掲げている。両本とも本文の内容流布本(『国史大系』本)に比して大異はないが、官歴内容にしばしば異同がみられ、流布本の欠を補う点が少なくない。なお両本の断簡は「補任切」として古筆の上でも珍重されている。

公卿補任

読み方:クギョウブニン(kugyoubunin)

分野 歴史書

年代 平安中期

作者 編者未詳


公卿補任

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/11 22:32 UTC 版)

『公卿補任』(くぎょうぶにん)は、歴代朝廷の高官の名を列挙した職員録で、日本史の基本史料の1つ。

概要

各年毎に朝廷の官職を記している。従三位以上で太政大臣摂政関白左大臣右大臣内大臣大納言中納言参議非参議のいわゆる公卿に相当する者の名を官職順に列挙する。記載される人名には本姓が使われ、藤原氏は、「藤原○○」ではなく略して「藤○○」と記載される。各人の名の下には、生没年、昇叙・任官などの事歴を付記している。『国史大系』本には神武天皇の代から明治元年までの分を含む。

公卿補任の作者、成立年代は不明であるが、弘仁2年(811年)に成立した「歴運記」[注釈 1]を基に、以後の分を書き足していったものと考えられている。後年の詳細な尻付(しつけ)を伴った形態としての本書の成立は、応和から正暦あたり(10世紀後半)とみられている。なお非参議の項は、長和以後に補足されていったとみられている。

任官についてもっとも纏まった史料であるが、平安時代前期における記事の不正確さ[注釈 2]や政治的な事情から書き直し(遡った期日での任官など)が行われた部分もあるといわれており、実際の任官と合致しない場合がある。

集成叢書

国史大系』に収められている。

  • 『新訂増補国史大系 第53卷・公卿補任 第1篇』吉川弘文館 黒板勝美、国史大系編修会(編)ISBN 4642003568
  • 『新訂増補国史大系 第54卷・公卿補任 第2篇』吉川弘文館 黒板勝美、国史大系編修会(編)ISBN 978-4642003575
  • 『新訂増補国史大系 第55卷・公卿補任 第3篇』吉川弘文館 黒板勝美、国史大系編修会(編)ISBN 978-4642003582
  • 『新訂増補国史大系 第56卷・公卿補任 第4篇』吉川弘文館 黒板勝美、国史大系編修会(編)ISBN 978-4642003599
  • 『新訂増補国史大系 第57卷・公卿補任 第5篇』吉川弘文館 黒板勝美、国史大系編修会(編)ISBN 978-4642003605
  • 『新訂増補国史大系 別卷・公卿補任 索引』吉川弘文館 黒板勝美、国史大系編修会(編)ISBN 4642003614

脚注

注釈

  1. ^ 「弘仁歴運記」とも。延喜式などに引用があるが全文は残っていない。
  2. ^ 平安時代前期(弘仁-寛平年間)には同時代史的に国家によって編纂された正史である六国史やそこから引用された『類聚国史』・『日本紀略』など、より正確な記録が存在するにもかかわらず『公卿補任』の記述と一致していない部分が多い。『公卿補任』の成立史を研究した土田直鎮の指摘以後、この時期の『公卿補任』からの引用には慎重が期されることが多い。

出典

関連項目

外部リンク




公卿補任と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「公卿補任」の関連用語

公卿補任のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



公卿補任のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
文化庁文化庁
Copyright (c) 1997-2025 The Agency for Cultural Affairs, All Rights Reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの公卿補任 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS