エッチ‐アイ‐ブイ【HIV】
エイズウイルス
ヒト免疫不全ウイルス
ヒト後天的免疫不全症(AIDS)の原因ウイルス。CD4タンパクを発現しているT細胞に感染するレトロウイルスである。
生物の名前総称など: | バクテリオファージ バクテリオファージλ ヒトデ ヒト免疫不全ウイルス ブラックバス ブルーギル プラス鎖RNAウイルス |
HIV(ヒト免疫不全ウイルス) ( human immunodeficiency virus )
HIV(ヒト免疫不全ウィルス)
HIV
【概要】 ヒト免疫不全ウイルス。エイチ・アイ・ヴイと読む。エイズウイルスは一般語あるいはマスコミ用語。エイズなど一連のHIV感染症の原因ウイルス。タイプ、グループ、サブタイプなどに細分類される。直径は100ナノメーター程度。外膜はヒトの細胞膜である。この膜にHIV特有のgp120という木が生えており、gp41は根っこにあたる。外膜の裏をp24という蛋白が袋を作り、その中にHIVの遺伝子RNAが2本と特有の酵素が入っている。
【詳しく】 HIVの増殖サイクルはつぎの通り。HIVの遺伝子はRNAでHIVが持ち込んだ逆転写酵素の力で人間の遺伝子の形であるDNAにコピイされる。さらにインテグラーゼという酵素の力で人間の細胞の核内にある遺伝子に組み込まれる。これをプロウイルスDNAという。プロウイルスDNAの情報が転写されると核内でメッセンジャーRNAとゲノムRNAが作られ、細胞質に移って設計図に従った酵素や膜などの構成分が作られ、蛋白分解酵素で成熟蛋白になり、部品が組み合わせられ、細胞から出てくる。
hiv
HIV/AIDS
1981年に米国で、免疫不全症状がありカリニ肺炎を発症していた男性同性愛者の患者が現われ、それまでに記載されたことのない新規の疾患らしいということで、米国のCDCはこれを後天性免疫不全症候群(Acquired ImmunoDeficiency Syndrome :AIDS)と名づけた。1983年には、この疾患の原因ウイルスが患者のリンパ節培養から発見され、ヒト免疫不全ウイルス(Human Immunodeficiency Virus: HIV)と名づけられた。このウイルスはRNAでできているレトロウイルスのレンチウイルス亜科に属し、免疫機能をになうTリンパ球やマクロファージの細胞膜上のCD4分子をレセプターとしてそこから細胞内に侵入し、自らの逆転写酵素を用いて二本鎖DNAとなり、宿主ゲノムに組み込まれる。
HIVの感染経路は血液・体液感染、性感染、母子感染の3つで、感染効力は血液感染が強いが世界で最も比重の高いのは性感染である。いったんHIVが感染すると10年前後はほとんど無症状で経過し、血液検査をしない限り気がつかれない。この無症状期の間、CD4+細胞の破壊と増殖のせめぎあいが続いているが、通常1ulの血液中に1000個前後あるCD4+リンパ球が200以下くらいになってくると、ついに免疫不全症状を呈するようになる。すなわち通常の免疫能があれば感染しても症状を出さない弱い病原体による日和見感染が頻繁となる。このような症状を呈するようになって以降をAIDS(エイズ)という。このためHIV感染があるが無症状の状態と有症状のエイズを総称してHIV/AIDSと呼んでいる。(若杉なおみ)
参考資料:Atlas of AIDS Science Press Tokyo Japan 2002
ヒト免疫不全ウイルス
(HIV から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/02 01:53 UTC 版)
ヒト免疫不全ウイルス(ヒトめんえきふぜんウイルス、英語: human immunodeficiency virus, HIV)は、ヒトの免疫細胞に感染してこれを破壊し、最終的に後天性免疫不全症候群 (AIDS)を発症させるウイルス。1983年に分離された。日本では1985年に感染者が認知された[1]。
注釈
- ^ 英語: lymphadenopathy-associated virus
- ^ 英語: human T-lymphotropic virus type III
- ^ 英語: AIDS-associated retrovirus
- ^ 英語: lymphadenopathy-associated virus-2
- ^ 英語: human immunodeficiency Virus type1
- ^ 英語: human immunodeficiency Virus type2
- ^ 英語: simian immuno-deficiency virus
- ^ 英語: long terminal repeat
- ^ 英語: negative regulatory element
- ^ 英語: group specific antigen
- ^ 英語: matrix
- ^ 英語: nucleo capsid
- ^ 英語: protease
- ^ 英語: mature
- ^ 英語: reverse transcriptase
- ^ 英語: integrase
- ^ 英語: virion infectivity factor
- ^ 英語: viral rrotein R
- ^ 英語: vilal rrotein U
- ^ 英語: trans activator
- ^ 英語: negative factor
- ^ 英語: Alison Rodger
出典
- ^ “知られざるHIV治療の最前線と日本の課題 - 感染に気付いていない人が5千人以上!?”. 2017年12月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。
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- ^ a b “HIV感染者の内定取り消しは違法 雇用主側に賠償命令”. 朝日新聞デジタル (2019年9月17日). 2019年9月17日閲覧。
- ^ “HIV感染告げなかったことを理由に内定取り消し 社会福祉法人に賠償命令 札幌地裁”. 毎日新聞 (2019年9月17日). 2019年9月17日閲覧。
- ^ “HIV内定取り消しで賠償命令=「告知義務ない」-札幌地裁”. 時事ドットコム (2019年9月17日). 2019年9月17日閲覧。
HIV
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 08:59 UTC 版)
ミシェル・フーコーは1984年6月初旬にパリの病院に搬送され、25日に亡くなった。エドムンド・ホワイトによれば、フーコーは当初はAIDSの存在を否定していたらしい。 「なんて素晴らしいんだ、エドムンド!きみたちアメリカ人は、いつも病気を発明するね。黒人、薬物中毒者、そして今度は同性愛者しかかからない病気だなんて。たまげた話だ!」 『ぼくの命を救ってくれなかった友へ』のなかで、フーコーの若い友人であったエルヴェ・ギベールは、フーコー(同書では「ムジール」という名で呼ばれている)が当時AIDSに罹っていたことを示唆している。
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HIV
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/27 01:41 UTC 版)
HIVに感染した患者達は、もし可能であれば、結核の処置が完全に終わるまでHIVの処置を遅らせるべきである。現在のイギリスの手引きでは(リンクBritish HIV Association) 糖タンパクで細胞表面抗原の1つであるCD4の数が200を超える場合は、6ヶ月の結核の処置を終わるまで、HIVの治療を遅らせる事。 CD4の数が100-200個の場合、初期の結核の危険が高い期間の治療が終わるまでHIVの治療を遅らせる事。 CD4の数が100以下の場合、状況が不明な為、患者達は治験に入って様々なHIVの検査をすべきである。 もしHIV患者達は結核とHIVの両方面での専門家によって診断された場合、他の病気に関しても妥協せずとも結果が出ているという証拠がある。もしHIVの処置が結核の処置が終わるまでの間に始まってしまった場合、HIV専門の薬剤師の忠告を求めるべきである。一般的に、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬との相互作用は重要ではないそして、ネビラピンはリファンピシンと共に使用すべきではない。エファビレンツは使用するかもしれないが、投与量については患者の体重に左右される(50kgより体重が軽い患者は日に600mg、50kgより体重が重い人は日に800mg)。エファビレンツレベルは、処方が開始した後の早期に調整すべきで(アメリカでは通常では難しく、逆にイギリスではたやすく利用が可能)プロテアーゼ阻害剤は可能であれば避けるべきである。患者達はリファンピシンとプロテアーゼ阻害剤は、治療の失敗や代替治療のリスクが増える。HIV患者のチオアセタゾンの使用には紅皮症の潜在的リスクが23%あるため、WHOは警戒をしている。HIVと結核の両方の処置を目指しているCaprisa()、そのCaprisaの003治験での治験者の死亡率は、抗レトロウイルスを処置した結核処方の方が、結核の処置をし終えた後に開始したよりも56%低い死亡率だった。
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HIV
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 05:12 UTC 版)
「Rosetta@home」の記事における「HIV」の解説
ビル&メリンダ・ゲイツ財団による19.4百万ドルの助成金を受けた研究の一環として、Rosetta@homeは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)のための複数の可能性のあるワクチンの設計に使用されている。
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HIV
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 06:31 UTC 版)
HIVでは、逆転写酵素のM184V/I変異が高耐性に関与していることが報告された。M184V変異はウイルスの適合性(fitness)を低下させるとされる。ラミブジンの長期服用中にはHIVが再増殖するがウイルス量は大変低く、服用を中止するとM184V変異が速やかに失われウイルスが大量に増殖し始めるので、耐性株に対してもラミブジン治療の継続が有効であるとの主張がある。しかしCOLATE臨床試験は、ラミブジン耐性株を持つ患者への投与継続が無意味であることを示している。データをより良く解釈すると、M184V変異株に対してもラミブジンは部分的な有効性を有していると言い得る。
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HIV
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 15:49 UTC 版)
KAT5はHIV-1のトランス活性化因子Tatに結合し、HIVの複製の促進を補助する。
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HIV
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/30 00:33 UTC 版)
HIV-陽性の患者はその他の場合よりも1,000倍、SJS/TENのリスクが高いが、その理由は定かではない。
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HIV
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/06/10 16:03 UTC 版)
「キンバリー・ジェイド」の記事における「HIV」の解説
ジェイドは1997年初めにHIV陽性の疑いがあると判定された。同年4月にジョーダン・マックナイトが陽性を示したHIV ELIZAテストでは陰性の結果だったため、仕事に復帰してストリップ・クラブ出演のためペースダウンするまで100本近い映画に出演した。1998年1月のELIZAテストでも陰性だったが、1998年5月に最初のRC-PCR DNAテストで再びHIV陽性と判定され、何度かテストが繰り返されたが全て結果は陽性で同年のポルノ業界における5人目の犠牲者となった。彼女のポルノ女優としての経歴は、その時点で終わりを迎えた。 マーク・ウォーリスがHIV陰性の証明書を偽造して、ジェイドを含む数人の女優に故意に感染させたという噂が流れたがウォーリスは否定している。(実際は当時の検査(ELISA HIV抗体テスト)の精度に問題があったと考えられている)報道によればAdult Industry Medical Health Care Foundationのシャロン・ミッチェルは実際にはジェイドはウォーリスと接触していないと語っているが、ジェイド本人はウォーリスと無防備なアナルセックスを行なった事を認めている。ミッチェルは同記事でELIZAテストの不確かさについても言及し、27日毎にRC-PCRテストを行なう必要があると説いている。ブルック・アシュレイによる訴訟も含む、この一連の騒動は業界に検査方法の改正を決定させるきっかけとなった。
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HIV
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/06/18 16:03 UTC 版)
1998年4月30日、ちょうどウォーリスが男優から監督へと移行し始めていた時期に、シャロン・ミッチェルにより彼がHIV陽性である事が発表された。更にブルック・アシュレイ、トリシア・デヴェロー、ジョーダン・マックナイト、キンバリー・ジェイドなど数人の女優を故意に感染させたという噂や推測が広まり、ウォーリスの経歴は事実上終わりを告げた。
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「HIV」の例文・使い方・用例・文例
- その患者はHIVウイルスを持っている
- エイズはHIVウイルスが原因だという学説
- HIV感染を確認するテスト
- 抗レトロウイルス剤はパートナーへのHIV感染リスクを低下させるのに役立つかもしれない。
- 彼はHIV陽性患者のための心理教育的セミナーに登録した。
- 潜在的にHIVに感染した細胞
- HIV抗体陽性
- HIVテストは陰性だった
- HIVウイルスの血液の検査をする
- 彼女はHIV陽性であることが判明した
- 彼はHIVの検査で陽性と出た
- 非ヌクレオシド逆転写酵素抑制剤(商標名レスクリプター)で、エイズとHIVの治療に使用する
- HIV感染と戦うのに用いられる抗ウイルス薬
- HIV感染の治療に用いられる抗ウイルス薬
- エイズとHIVを治療することにおけるジドブジンと組み合わせて非常に効果的なヌクレオシド逆転写酵素抑制剤
- 他の薬と結合して通常HIVを扱う際に使用されるプロテアーゼ阻害剤(商標名ビラセプト)
- エイズとHIVを治療するのに使用される非ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬(商品名ヴィラミュネ)
- HIVに対して使用される抗ウイルス剤
- HIVに対して使われる抗ウイルス薬
- HIVのようなレトロウイルスでの逆転写酵素の作用を禁止する抗ウイルス薬
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